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【スイス・日本人がフランス語の現地校へ】 3. 学校のスケジュール

スイス・フランス語圏 ローザンヌで暮らす日本人家族です。
現地校での学校のスケジュールについて、スイスの学校の特徴を日本との違いを踏まえ記載したいと思います。なお、スイスは連邦制でカントンと呼ばれる各州が独自の法律や議会を運営しており、教育制度においても各州で制度が異なります。ここではVaud(ヴォー州)ローザンヌ市の事例となります。

スイス・日本人がフランス語の現地校へ

1.学校選びについての記事
2.学校手続きについての記事

学校のスケジュール

学校のスケジュールは学年によって異なります。
ローザンヌ市の場合:

resource: Ville de Lausanne 

上記の表を参考に我が子のスケジュールを整理すると、
娘:1P(4-5歳)/ 月火水木金 8:30~11:50
息子:3P(6-7歳) / 月火水木金 8:30~11:50 / 月火木金 14:00~15:40

娘は半日のみ、そして全学年共通で水曜日の午後は学校がありません。ちなみに娘が仮に来年、2P(5-6歳)に進級した場合、水曜日は丸一日学校が休みとなりスケジュールは一変します。(働く親は大変そうです)

スイスの学校は全日制ではない

日本との大きな違いは学校が全日制ではないことで、筆者が最も驚いたことでした。午前の授業が終わる11:50から昼食を挟んだ13:55までは教室は鍵がかかり教師も不在になります。これは昔からのスイスの慣習で昼食を自宅に帰って食べる文化の名残があること、何より直接民主制であり、冒頭で述べたように物事の決議は全て住民投票で決めるため、なかなか全日制の制度改革が実現しづらいことが背景にあるようです。学校以外でも、上記昼食時間帯、郵便局や一部の店は閉まっています。

近年は共働き家庭も増えていることから民間学童の充実が図られ、早朝・昼食・夕方の学童サービスが小学校に併設されていたり、近隣の学童施設にてサービスを受けるケースも多くなってきているようです。

物価高のスイスでの学童サービスは世界一高額と言われており、仮に「ローザンヌで、平均月収(7000フラン、約119万)世帯が3-6Pの子供1人を学童に預ける場合」を試算してみました。(正確な支払額は世帯収入や子供の年齢、兄弟など預ける人数によって異なります)。
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・早朝学童(7:00~8:30) =5.85フラン
・昼食学童(11:50~13:55)=16フラン
・夕方学童(15:40~18:30)=7.30フラン 
1日29.15フラン(約5000円)
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また水曜日の午後は学校が休みのため、水曜の学童は時間が13:55~18:30と長くなり1回あたりの価格も13.15フランと高額でした。

月約20日、毎日預けることを想定すると、
・平日(水曜除く)=29.15フラン×16日=466.4フラン
・水曜日=19フラン(早朝学童5.85+13.15)×4日=76フラン
1ヶ月にして542.4フラン(約92,000円!!)にもなりました。

世帯収入によって金額が異なるので、低所得者にはカントン(州)からの助成金の補助がなされています。
*追記:息子(3P)の親友は、週の平日、早朝&夕方学童に行き、彼の弟(1P)も同様に学童利用をしており、兄弟割引を受けてもなお子供二人の学童代に月3,000CHF以上(525,000円)を支払っているそうで、この額は家賃よりも高額だそうです。また弟が小学校入学前の保育園児だった時にかかった費用は更に高額で月5,000CHFの支出だったそうです。

実際のところ、スイスではフルタイムの業務でも子供の成長に合わせて仕事の割合をフレキシブルに調整することができるようで、娘のクラスでは水曜日を休みにして70%の拘束で働いているというお母さんもいました。学童も毎日フル利用ではなく、仕事の状況や子供の年齢によって、曜日や時間帯ごと細かく希望を出して必要な時に利用する家庭が多いようです。ただ多くの場合、男性ではなく女性が働く割合を減らし育児や家事に充てているケースが多いように見受けられました。給食がないことや学童の入りづらさ、女性の労働環境を考えると意外にも?日本の方が子育てや働き方の制度や法律は整っているようにも感じました。

*追記:息子(3P)の親友ママによると彼女の場合は100%契約のみ、つまりは完全フルタイムの労働条件での雇用のため、彼女は割合を減らす時短勤務はできないそうです。その為子供が発熱しても解熱剤を飲ませ学校に行かせ仕事に行かざるを得ない状況だそうです。

学童の話に戻って、我が家も当初息子と娘の学校が異なり、8:25までの朝の登校、11:50の昼の迎え、13:55の午後の登校、15:40の午後迎えの4往復、更には異なる2つの小学校で、筆者が1人で対応することがとても大変だったため、息子だけは昼食の学童を申し込みをしていましたが、受け入れは共働き家庭が優先となるため暫くの間、待機リストとなっていました。そして先日ようやく連絡があり、息子も昼食の学童に参加できることになり水曜日を除く平日4日の昼食は学校の敷地内の学童で食べています。担当者の話では、昼食の学童は息子のクラスは19名中17人がそれぞれの希望した曜日に参加しているようで、学童を全く利用してない家庭はごく僅かです。
一方で、娘の学年はまだ小さいので息子とは別の近隣保育施設へ移動をして昼食を食べるようなのですが、低学年は受け入れ可能人数が少なく、競争率が高いと聞いていたので申し込みはしませんでした。

話は逸れますが、スイスの子育てには、祖父母の存在も大きいようです。小学校のお迎えのみならず、公園に行くと多くの祖父母が乳幼児の散歩や世話をしています。現地ママに聞いたところ、義務教育前の保育園は競争率が高くお腹にいた時から保育園の申し込みをしたそうで、両親が共働きでない場合、州からの補助がある公立園に入園するのはとても難しいようです。一方で、私立園はスイス人からしても保育料が非常に高額だそうです。
日本のように無条件で月〜金、朝〜夕方まで預けるのではなく、週数日だけ預け子育てと仕事のバランスを図るだけでなく、収入(仕事)と支出(保育料)のバランスを考慮する必要があるのが現実です。

朝は保護者が順番に対応する集団登校があったり、近所に住む家族が子供のお迎えや食事を順に対応したりと、祖父母だけではなく近所や周りの人々と助け合って暮らしているような印象を受けました。

筆者としては、日本で朝7時から18時までほぼ年中無休で預かってくれ、手作りの温かい給食やおやつの提供をしてくれた、保育園の先生たちの顔が浮かび感謝の気持ちで溢れました。同時に、朝から晩まで先生方や保育園の負担も大きかったのではないかとも感じました。

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