夜半のメルヘン①〔R18有料作。ただし本日いっぱい全文公開いたしております〕

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狼と猟師とお菓子の家1~R18、童話もどき

 父も母もどうかしてる。
 働くのが嫌だからって、子供をその道のやつに呈するか?
 普通女の子が選ばれると聞くのに、そいつが選んだのは僕だった。
 太ったじじいが連れだって来て、妹の目の前で俺を意のままに。
 泣き叫ぶ僕をうれしげに、心底からうれしげに見下ろしながら、奴らは俺にそれをかけた。
 白くてヌルヌルして生臭い液。
 僕のをこすり立てて放たされたりもする。
 一番偉そうなのが僕の後ろを割り裂いてからは、毎夜のように僕は貪られるようになった。
 もう耐えられない。
 月の美しい夜。
 僕は妹を連れて家を出た。
 どこだってここよりまし。
 妹が同じ目に遭わされないためにも。
 僕は妹を連れて出た。

 眠い目をこすりながら森を歩く。
 にーちゃんのばか。
 アタシはおうちに不満ない。
 柔らかいパンが食べられて、柔らかいおふとんに寝られてる。
 充分じゃん。
 だからパパママが追って来れるように、白い石を落としながら森を歩いてきた。
 にーちゃんの目を盗んで逃げ戻るために。
 ところがそこにはお菓子の家があった。
 チョコやビスケやアイスで出来てる。
 アタシの足はその場にはりついた。

 食べる。
 絶対食べる。
 言い張る女は妹だろう。
 欲に完全に目が眩んでる。
 こんなのおかしい。
 ここにいちゃいけない。
 懸命に言う兄の言葉なんか全然耳に入ってない。
 あ、壁のビスケ剥いだ、食った。
 かかったな。
 頭巾を目深にかぶって出る。
 おどろおどろしく。
「うちの壁を剥いだのは誰だい」
 二人から見れば小汚い老婆。
 でもって雰囲気がひどく妖しげ。
 小娘は、ぎょっとしたように、兄の背中に隠れるが、手にはチョコレートの窓枠。
 びびってるはずなのに、手放さないしたたかさ。
 代わって兄が詫びを言う。
 ごめんなさい。
 僕たちおなかすいてて…


 おまえはひとかけらも食ってない。
 ガツガツムシャムシャは妹だけ。
 だから妹を蒸し焼きにして、兄の方は…
 よく見ると、兄は顔立ちが美しい。
 手足もすらりとしなやかで、俺は一目で手元に置きたくなった。


「食いしん坊はうちの下女にしてやろう。兄さんを人質に貰う。しっかり働かないと兄さんを食うよ。さあ水汲んでおいで!」


 妹娘を追い払い、お菓子の家に兄を追い込む。
「お願い、します、食べないで」
 キッチン。
 俺から逃げようと、必死に、真ん中の大テーブル挟んだ反対側に居ようとする少年がかわいい。
「食わないであげるよ。代わりにおまえはあたしに何をくれる?」
 美しい瞳をぱちくりする。
 ああ! 
 すぐ食いたいけどこのなりではなあ。
 少しだけ、魔法を使って少年を眠らせ、俺はかれをベッドルームに運んだ。

 かれがまとっていた、田舎臭いボロを剥ぎ、全身くまなく清拭する。
 裏返したとき、そこが荒れていたから、初物でないのは知れたが、これだけの美形だ、そばに置いて損はない。
 俺は本当の姿に戻った。
 銀色の大型の狼。
 ライオンみたいに派手じゃないけど、狼にも鬣(たてがみ)がある。
 銀色の鬣は自慢ではあるが、相手が眠ってたら見せられない。
 まあ、とりあえず、味見だ。
 俺は少年の躰に覆い被さった。


 もふもふした感覚が、僕の躰を這い回っている。
 ん…
 薄く目を開いたら、狼!
 僕の躰を舐め回している!
 身を起こそうとしたら片前足で、胸板を押さえ込まれた。
 裸の胸板。
 僕は裸だった。
 狼は唸りながら、僕の躰を舐め回し続ける。
 舌先が下半身に向けて下がってゆく。
 やめてそこは!
 ざらざらした舌が僕を捉え、しゃぶり上げる。
 じじいたちのとは違う、全く違う、感覚、あっ!
 僕は放っていた。
 狼はニヤリと笑い(ほんとに笑ったのだ!)、そのまま僕を舐め続ける。
 舌先は僕のそれを越え、袋を越え、膨らんだところを越えてそこまで。
「やめて!」
 裏返しの6の字みたいに丸められ、そこもしゃぶりあげられる。
 じじいたちに仕込まれて、たらたらと液が出るようになってしまった僕の***。
 目を点にした狼は、それでも笑む目でそこを舐め回す。
 君の味がする。
 言葉でなく、頭に直接声が響く。
 俺の***もそこを味わいたいって。
 入れてかき回していい?
 聞くの?
 誰も僕に、次何していい? 何々するよ? って聞かないよ。
 かわいそうに。
 俺は聞くよ。
 これ好き?
 これは?
 ここは?
 ああっ、あっ、あっ、ああああっ。
 僕のなかに狼の、少し大きめの薔薇の棘みたいなのが入ってる。
 細いのに、小さいのに、僕は乱れ、声を上げる。
 なんかすごい。
 感じる! 感じる! 感じる!
 僕が放つと、狼の外郭が一瞬消え、相手は一瞬だけ、人の形になった。
 僕より五つくらい大人の、美しいお兄さんだった。

            2に続く

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