写仏しながら思い出した、インドの寝台列車でのこと。
今度、東京駅で開催される
「みちのく いとしい仏たち」のポスターの仏さまに
とっても癒されたので、久しぶりに写仏。
この合わせた手にとっても癒されたんですよ。
そういえば昔行った、メキシコか南米あたりのマリアさまの像も
本当に可愛らしく美しく、幸せな空気を纏っていた。
他にも世界一周中に
たくさんの神聖な場所に出会ったけど、
その写真は全然残ってない。
もちろん撮ってもいいんだけど、
なんだか撮れなくて。
神聖な場所っていうと
よく思い出すのが、インドのバラナシ。ガンジス川。
インドの方々にとって、最も神聖な場所。聖地。
それがどれほどのものか、私の心に刻まれたのが、
砂まみれの窓が壊れて閉まらない寝台列車に乗っているとき。
この寝台列車で私の前に
明らかに列車に乗るお金がなく、無賃乗車している風のおじいさんと孫の4歳くらいの女の子がいた。
女の子が窓の外を見たそうだったから
私は窓側の席を譲ってあげて、しばらくしてからガンジス川が現れた。
おじいさんはそのとき、
目に涙を浮かべながら、少し震えた両手を合わせて
何度も何度もガンジス川に何かを祈っていた。
祈っていたのかな。
ちょっと違う気がする。
ただただ畏敬の念を感じていたような、
私が知らない、大きな、大きすぎる何かを目の前にしていた。
もうあれから10年以上経つけど、
ずっと忘れないんだろうと思う。
10年経っても言葉にできない、この光景を。
ガンジス川は、何も知らない私から見たら、
少し広めの茶色い川。
もちろんインドで最大の聖地であることは知っていたけど。
でも、このおじいさんが「聖地」というものが
どんな存在であるかを、分からせてくれた。
おじいさんはガンジス川を見て涙を浮かべていたけど、
私は、おじいさんを見てたら涙が出てきた。
仏さまを描きながら、そんなことを思い出していました。
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