一生スポーツに携わりたい 寺川綾【後編】スポーツキャスター|挑戦のそばに
感覚に任せていた現役時代でも「一番気をつけていたのは体調管理」
16歳で日本代表入りして注目された、女子競泳背泳ぎの寺川綾さん。彼女が、2012ロンドンで銅メダルを獲ったのは27歳の時。若手の活躍が目立つ女子水泳界で、最年長のメダル獲得となりました。長年にわたり、トップレベルで活躍する。それは努力なくして実現できることではありません。年齢を重ねるにしたがって、より活躍できたのはなぜでしょう。
「どちらかと言うと、細かいことが嫌いなんです。一時期、今日の練習内容がどうだったとか日記に書いていたのですが、結局それを振り返ることもなかったので、途中でやめてしまいました。全てをその時の感覚に任せる選手だったと思います」
そう言って、あまり特別なことはしていないと話す寺川さん。ただ、最も重要視していたのは、やはりコンディショニングでした。
「一番気をつけていたのは、体調管理ですね。練習は常に試合に向けてやっているので、そこまで練習を積み重ねて、実際に本番でいつも通りのコンディションではなかったら台無しですから。本当にそこだけはすごく気をつけていました」
そのために欠かさず飲んでいたのがアミノバイタルだそうです。「ずっとアミノバイタルは飲んでいましたね。国際大会に行く時も、水着・ゴーグル・アミノバイタル、みたいな。絶対に忘れてはいけないもののひとつでした。カラダのために何ができるか考えて手放さなかったのがアミノバイタル。飲むのが習慣になって、常にないと心配になる。お守りみたいな存在です」。
今でも寺川さんにとってアミノバイタルは、仕事でも重宝するパートナーになっています。
「特に夏、高校野球の時期などは追い込まれるので、よく買ってスタッフさんに渡すんです。みんなで飲んで『今日も1日乗り切りましょう』とか気合を入れて、朝5時に現場へ行くみたいなことが結構ありましたね。海外出張にも必ず持って行くし、私にとって常に必要なものになっています」。
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スポーツの魅力は「一瞬で心を全て奪われる」こと
自身の今後について、「一生スポーツに携わっていたい」と寺川さんは明確に答えました。
「ここまで私の人生は、スポーツしかない(笑)。色々なことを教えてもらったのも、人として育ててもらえたのも、スポーツ界であり水泳界。だから、ずっとその近くでお仕事はしていきたいなと思います。水着のデザインでも何でも、私にできることなら積極的に関わっていきたいです」
スポーツで生きてきたからこそ、これからもスポーツに関わっていきたい。寺川さんをそこまで惹きつける“スポーツの魅力”とは何なのか。改めて聞きました。
「私自身もそうですが、心を全て奪われる、気持ちを持っていかれるところが、一番の魅力だと思います。それまで全く知らない、見たことのない選手だったとしても、すごく活躍していたらまるでミュージカルように目を奪われてしまう。たくさんの方が見て感動し、応援したくなるのが、スポーツでありアスリート。それに尽きると思います」
ロンドン2012の後、寺川さんには、改めてスポーツの力を感じる瞬間がありました。「2004アテネではメダルを獲れず、2008北京は代表から落選。もうどうしていいかわからなくなりましたが、最後のオリンピックでメダルが獲れた。すると、飛行機に乗っただけで他のお客さんから『ありがとう』と言われたり、病気で入院されていた方から『治療は苦しかったけど、テレビで見て頑張ろうと思いました』と言ってもらえたり、たくさん感謝の言葉をいただきました」
「日本に帰って銀座のパレードで喜ぶ人々を目の当たりにして、『自分の結果で、これだけ喜んでくれる人がいるんだ』と、初めて“水泳をやってきて良かった”と心から思えた。スポーツの魅力ってそういうところだと思います」。
自身で実感したスポーツの魅力、感動。それを世の中に伝えるため、アスリートの気持ちに寄り添いながら、言葉を紡いでいく。キャスターの仕事は「一生慣れないかもしれないです(笑)」とマイペースながらも信念を持って、寺川さんのチャレンジは続いていきます。
<取材:2020年10月>
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