圧倒的ビュー数を誇る義母


ふとnoteのアクセス状況を覗いて度肝を抜かれた。
全期間を遠して最もよく観覧されたある記事が、ぶっちぎって桁が違うのだ。



こちらの記事である。

ただ義母が外車を購入しただけの平凡な記事なのに、なぜこんなに?(ちなみに現在はトヨタ車である)義母と、告白、というワードがそんなに興味をそそられるのだろうか?何度も読み返すほどの記事とも思えない。なんで?


義母はここで書ききれないくらいネタの宝庫の愉快な人で、思いのままに生きてる女性だ。子供のことなど今までたくさん協力してもらってるし、私が自由に活動してることも「楽しそうやん!なんでもやったらいい」といつも笑顔で応援してくれている。夫が出張で不在がちな我が家で私が飲み会に行けたり、踊りなどで家を開けられるのもこの義母のお陰なのである。

数ヶ月前、夫がパーカッションで参加するブラジル音楽のライブがあった。義母はお友達と一緒に観に行くという。私の日舞関連の知り合いがぜひ観に行きたいとのことで、私は当日行けないため義母に「知り合いのSさんという方が来て下さるのでもし見かけたらよろしくお願いします」と託した。年齢が近く義母と気が合いそう、と思ったからだ。「オッケー!」と快く了承してくれた。

翌日義母よりLINE。「昨日出会えたで。すぐにわかって、一緒にみたわ!気さくな人ですぐに打ち解けたよ。楽しかった」
早速Sさんにお礼のLINE。すぐに返事が来て「昨日は本当に楽しかったです。お義母さまとも初めて会ったとは思えないくらいすぐに仲良くなって、楽しい方でした」
とても意気投合したようで、ほっと一安心。誰かと誰かが繋がって仲良くなるって、いいなあと思いながら、観に行けなかった私と息子は、関係者のみが観れる当日の演奏動画を観始めた。なかなかいいムードで始まり、「いい感じやな、今回の一番の見どころはどの辺やった?」と夫に聞くと、一瞬間を開けてから「・・後半かな」と答えた。
ふーん、と流しつつも、しばらくしてハッと閃いてしまった。お義母さんが、もしかして、飛び入りで参加するとか?夫は否定も肯定もしなかったので、ぜったいに、そうだと確信した。義母は元々陽気な人だが、お酒が入るとさらに陽気さに拍車がかかるのであり得ないことはない。でもこの配信動画に義母が、突然乱入?どんな入り方で?どんな顔で?ハイスピードで脳が稼働する中、ライブのクライマックスにきた。
最後は恒例のサンバ隊のお姉さんが、色とりどりのコスチュームで登場してサンバを披露してくれるのだが、中盤らへんにダンサーが手招きして客を引き込もうとする。しかし誰も恥ずかしがって前に出ない。そんな中突如、義母がふら〜っとナチュラルに前に出てきて、サンバ隊に混じり始めた。その足取りに溜めらないはなく、なんなら堂々とサンバを踊り、最終的にはセンターの位置にきて踊っている!
最後にダンサーと手を繋ぎ、客席にお辞儀して客席に戻る義母。圧倒的フィナーレ感。
画面越しに映る義母の姿に1ミリも驚きはなかったが、「実の息子はどんな思いで後ろから実母のサンバを観ていたの?」と素朴な疑問を夫に投げかけると、「いやそれはもう、あの舞台だったら恥ずかしいとかはない。おかーはんのサービス精神なんやろ。音楽関係以外だったらハズい」と率直に答えた。

後日義母は「最初は断ってたんやで、そんなん恥ずかしいやんかあ。でも誰も前に行かへんからなあ、出たほうがええかな思て」やはりサービス精神!
Sさんの「お義母さまとも初めて会ったとは思えないくらいすぐに仲良くなって、楽しい方でした」がリフレイン。
義母は人生を、謳歌していた。






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