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なにもない

今年の夏、私の部屋兼寝床の壁紙を自分たちで張り替えた。
カーテンを外し、部屋から机などの家具を一旦移動させ、無意味なほどデカい洋服ダンスは解体して処分し、なにもない部屋にした。

張り替えが終わり、布団を敷いて寝ることにした。びっくりするくらい神聖な気分で寝られて、なにもない清々しさをかんじながらの寝起きは最高であった。
もうカーテンすら、いらないくらいだ。
 
なにもない部屋に、夫が丁寧に畳んだ布団は、映画パーフェクトデイズの平山の部屋を思い出させた。
「え、これ平山やん」と言うと
「別に憧れてへんし」と夫はかぶりぎみで返した。

わたしが畳んだ布団はぐちゃあとなっていた。
平山にはなれない。ほど遠い。が、なにもない部屋を体感したことは大きな発見だった。物があるだけで、知らぬうちに見えない何かの影響を受けている気がする。移動させていた机と本棚(本は一冊も入れていない)をもとにもどすと、あれ、物がおおいなーとついに頭がバグり始めた。
いっそ机も本棚もなくしたい。
なにもない部屋で大の字でごろんと昼寝したい。





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