悪魔の目的地 第三十三話

立て続けに起こった不幸を、私はなかなか受け入れることができなかった。
私が抜け殻となっている間に、水野さんは順調に準備を進め、この夏、ついに開業の日を迎えた。

本当はその前に一度会いに来ると言っていたのだが、お互いの都合が合わず、再会は見送りとなった。
準備が進む度、水野さんはメールで写真を送ってくれていた。
スタイリッシュな店の外装や内装。
店に置かれるもの全てが、水野さんらしかった。
そのどれも、見るのが辛かった。
今すぐそこへ行きたい。
写真に写るそこに立って、水野さんに会いたい。
そして今すぐ、抱きしめてほしい。
なぜそんな事も叶わないのか…。

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