悪魔の目的地 第七話

社会人になって初めての夏が来た。

その頃、私は水野さんと頻繁にメールをするようになっていた。
きっかけは覚えていないが、気づけば毎日、自然と送り合うようになっていた。
内容はどれも他愛もない会話や挨拶ばかりだったが、それだけでも、私の荒れ果てた心には十分すぎるほどに潤いをもたらした。
二週間に一度会える日を、心から待ち望んだ。

ここから先は

4,120字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?