悪魔の目的地 第四十八話

あの夜から、別れ話の続きができない。
理由は、彼の機嫌がいいから。
それが怖いから。
彼の言うことに「うん、そうだね。」って微笑んでいれば、彼は優しかった。
地雷を踏めば、きっとまた首を絞められるだろう。
髪を掴み上げられるだろう。
頬を叩かれるだろう。

言えない。
とてもじゃないけど、言えない。
怖い。
言いたくない。
できれば、嫌われたい。
彼の方から、振られたい。
どうしたらいいのかな…

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