悪魔の目的地 第二十六話

その日、フロント業務をしていると、一人の女性が入ってきた。

『こんにちは。』

『あ、こんにちは。どうされましたか?』

『あの、黒田はいますか?』

『あ、はい。今お呼びしますので、少々お待ちください。』

軽く会釈をしようとしたとき、それは目に入ってきた。

首元に、見覚えのあるネックレスをしていた。
一瞬、凝視してしまった。
この人が誰なのかを悟る。

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