ハートにヒビが入るほど綺麗な海を探しに行く物語-12-
あらかたの客は帰ってバンダの下の寝椅子も少し空席が見られた。
帰りの船はいつ来るの?と問いかけたら、船が来たら呼ぶからバンダの下にでも座って待ちなさい、と言われた。
いろいろなことがあってもうクタクタだった。
最初あれだけお金がかかることを気にしていた寝椅子のレンタル料も、もう払ってもいいから静かに休みたいとも思った。
空いた寝椅子に横たわり、リュックからヴァージニアのDUOを出した。
小さな細長い箱には2本しか入っていないが、そのうちの一本に火をつけてゆっくりと吸い込む。吸