【毎週ショートショートnote】放課後ランプ
(こんなところにお店、あったっけ…?)
いつもの帰り道、私は部活カバンをかけ直しつつ、その看板を見上げた。
「喫茶 放課後ランプ」
私はおそるおそるガラス戸をのぞき込んだ。
そこで目に飛び込んできたのは、猫。
まるで顔だけが人間の、猫。
何てことない感じで、紅茶らしき飲み物をカップに注いでいる。
すると突然、こちらを見た。
(ひゃっ!目が合っちゃった)
思わず口をパクパクしていると、猫さんは優しく笑いながらおいでおいでという仕草をしてきた。
思わずドアを開けると、まるで異世界に来たかのような清々しい香りが、私の鼻腔をくすぐってきた。
「いらっしゃいませ。初めてですか?」
「はい。あの、あなたは…?」
すると猫さんは、コホンと咳払いをして、
「オーナーの、猫本ニャ助といいます」
「ニャ助、か、かわいい名前…」
すると真っ白な毛並みがサーッとピンク色に染まった。
思わず私まで照れてしまう。
(ジブリみたい…)
想像好きが一段と加速する、16歳の一コマ。
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