泣き虫を笑って-諫早勾留記747-
癒えていたみたい。いつの間にか。
しょっちゅうライブには行くけれど、ライブで泣くことはあまりない。だいたいいつも音を全身に浴びて興奮状態にあるか、楽しすぎて肩を揺らして関節がだるんだるんになっているかのどちらかだ。そんな僕は昨日好きな曲を聴いて泣いていた。ああ泣けるんだって、ちょっと意外だった。
ずっと行きたいライブだった。普段からずっと聴いているアーティストというわけではないけれど、5年くらい前から死ぬまでに一度はこの人のライブに行きたいって思っていた。あまりライブには行けなかった学生時代を終え、社会人になったけれどコロナでライブどころじゃなかった。それがやっと。久しぶりのツアーに行けることになった。あの人はとてつもなく有名な人になっていたけど、チケット取れてよかった、ほんと。
最近ライブに行きすぎてアーティストに会うのが普通のことに思えているけれど、本当はそんなことはない。チケットを取るのにも一苦労な時期もあった。学生時代は必死に好きなアーティストのライブに申し込んでチケットの抽選に一喜一憂したものだ。当時大好きだったアーティストのチケットに初めて当選した時の喜びを思い出す。土曜日のお昼、実験室で一人踊り狂ったのはいい思い出だ。
隣のお姉さんはチケットが取れてよかったって。友達と喜びを分かち合っていた。結構見やすい席だったし、それもある。取ってくれてありがとうって、ああそうだなって。昔のことを色々と思い出した。月に複数回でも長崎から福岡にライブに行く僕はなかなかの強者だと思う。それだけ行きたいと思うライブがあるし、行っておかないと後悔することも知っている。普通はそうじゃないって。大好きで大好きでたまらないアーティストが自分の住む街に来てくれる。一年に一度あるかどうかのこと、地方都市であれば尚更だ。ライブに行きたいって思える好きなアーティストがたくさんいる僕はそういう意味では幸せなんだろうな。愛の形は人それぞれだし。
ライブの特別感。いくら情報量の多い音源を聴いているとしてもライブに勝るものはない。そんな特別なものにたくさん触れることができる今の自分の環境に感謝しながら。ライブだったからこそ泣けたんだから。
泣きじゃくる自分に気づいてもう大丈夫だなって思えた。煩いはどこかに行ったんだなって、ちゃんと向き合えてるんだなって。そんなことを自覚できる日が来るとは思わなかったけれど、まあそんなもんさ。これからきっといいことある。季節の移り変わり。きっと僕の人生も今、そんなグラデーションの中にいるんだろうな。
花の季節、よく知る香りに包まれて。
また明日。
■Good News
・テンパってんだなあって気づく
・新規ルートの開拓
・蒔いた種が少しずつ
■今日の1曲
季路 / Aimer