見出し画像

konagai-諫早勾留記704-

極限まで酔った若者たちは鴨川に飛び込むらしい。人生、そんなんでいい。

先週までとは打って変わってこの週末は暖かい。春が顔を覗かせるそんな陽気、2月も終わるのだから当然といえば当然かもしれない。これだけ暖かいと春物の服を出さないわけにもいかず、この冬に買いためていたアイテムを引っ張り出してくる。インナーはヒートテックで少しチグハグではあるが春の先取りだ、悪くはない。あんなに春が嫌いだったのに春を楽しんでいるのはなんだか変な気分ではある。仏頂面で待っていた電車に飛び乗った。

小長井は平成の大合併で旧諫早市なんかと合併した小さな町、全国ネットで紹介された牡蠣やフルーツのバス停が有名だ。その珍しさからフルーツのバス停で写真を撮るためにやってくる若者も少なくない。牡蠣もフルーツのバス停にも大して興味のない私は駅を出て普段旅をするのと同じようにあてもなく歩き始める。正直、海を見てゆっくりとできればそれで良かった。

駅側の神社を抜けると小学校があった。こんな海の近くの学校は羨ましくもある。潮風を浴びて育つというのはどういうものなのだろうか。盆地生まれ盆地育ちの私にはわからないものだ。子どもたちの声を聞きながらほっつき歩いていると漁師風の格好をしたおじさんおばさんたちに出会う。日曜というのに何をしているのかと思えば、カゴいっぱいの牡蠣を背に皆で作業をしていた。煙草を吹かして休憩していたおじいさんに軽く会釈をしてその場を去ったけれど、何をしていたかぐらいは聞いても良かったなと今になって後悔している。海を見ながら適当に歩いてメインストリートに戻ってきた。正直、これ以上はやることはない。バスまで時間があるからと歩けるところまで歩いていたが、とにかく海が近い街だ。海面に反射する太陽に目を眩ませながら。ゆっくりとゆっくりと時間が流れていた。

バス停はメロンだった。それまでもいくつかのフルーツがあったけれど私が選んだのはメロンだった。別にメロンは好きではない。でもそれを選んだのはそこから見える海が少し好きだったから。人生、そんなんでいい。

僕は生き急ぎ過ぎたんだ。
また明日。

-----

■Good News
・うまくいった
・久しぶりに
・ほのぼのと

■Bad News
・カロリー過多

■今日の1曲
抱きしめたい / The Birthday

昨日打ち立てたミッションを1つ完遂した。

・小長井駅で海を見ながら黄昏れる
この間かもめに乗ったときに小長井駅ってめっちゃ海に近いやんってなっただけ。何となくあそこでおにぎりでも食べながら潮風でも浴びたいと思った。まだ寒いから春になったら行こう。牡蠣とかフルーツのバス停はどうでもいい。


いいなと思ったら応援しよう!

amil
にゃーん。