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ヘイスティングズはどこ?となる私のために

映画化などメディア化は色々されているし、わざわざ改めて小説読まなくてもいいかなぁ、なんて思っていたアガサ・クリスティー。

『アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕』 著:霜月蒼 早川書房

軽い気持ちで読んだ上記タイトルの文章がなんだか好きで、そうおっしゃるなら読んでみましょうと、重ーい腰を上げてみた。
まずは有名な『オリエント急行殺人事件』の探偵、エルキュール・ポアロでも読んでみるか、と本当に軽い気持ちで手を出したら。。

沼った。(私なりに)

ホームズでのワトソンの役回り、的な(正直役立ちレベルとしては、制作に行き詰まった芸術家が苦悩の末に閃く瞬間くらいの稀な印象だが)

ヘイスティングズが、とてもよい!

役に立つとか立たないとかどうでもいい。君はいてくれるだけで。そこにいて、我々に事件を語ってくれるだけでいい。(下手したらヘイスティングズのために米米クラブ歌い出しそうなほどだ)
いや、なんなら語ることすらしなくてもいい。でも、私は君の視点が好きだから、聞きたい気持ちは抑えがたい。。

とは言え、ポアロシリーズ全てに出てくる訳ではないヘイスティングズ。
ヘイスティングズにいつでも会えるように、彼が登場する作品をまとめました。(全部読了ではないので、不足はあります)
以下は、ヘイスティングズへの感情的な感想と、印象的な文言があった場合の備忘録です。


『スタイルズ荘の怪事件』


ポアロシリーズ一作目。
若くて美しい女性に弱いヘイスティングズ。フラットな目線のポアロと違い、すぐに弱い(ように見える)女性に甘くなる紳士、ヘイスティングズ。
ばっかだな〜、でもチョロ可愛い!


『教会で死んだ男』


表題作はミス・マープルだけど、この短編集ほぼポアロ。同居しているヘイスティングズは基本登場。


『ゴルフ場殺人事件』


このヘイスティングズにはイライラさせられた。どうしてそう突っ走るのかね〜、チミは。
しかし、ヘイスティングズにとっては運命的な出会いがあった。


『青列車の秘密』


終盤にポアロのセリフでちょっと名前出てくるだけ。


『バグダッドの大櫃の謎』(短編集『黄色いアイリス』)


短編集だからか、ヘイスティングズの脇役感がすごい。


『邪悪の家』


初対面の若者たちに自己紹介するときの、ポアロとの会話がコントみたいで面白かった。


『エッジウェア卿の死』



『ABC殺人事件』


話をするというのは、以前、ある老いた聡明なフランス人が言ったことですが、人間に思考させないための発明なんです。

31 エルキュール・ポアロ、質問をする


『もの言えぬ証人』



『ナイルに死す』


ポアロのセリフでだけ登場。
本当に仲良しなんだね、とほっこりした。


『カーテン』


ポアロ最後の事件! ポアロもヘイスティングズも、生き物なんだなぁとしみじみ感じた。探偵と助手って年を取らないイメージだったから。
簡潔な、明朗な話ではなかった。
いつまでも、彼らが心に残る。



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