2-2 休暇のおわり
「私はね。長老なんだよ。責任者なの!わかる?ね?監督の責任があるからどこにいるか聞いてるんだよ。君じゃ話にならないから、誰かここの偉い人いないの?」
接客業のご経験がある方なら、こういう偉そうなクレーマーの対応をされたことがあるかもしれない。
なれなれしく、横柄で、話し方も汚い。場所が場所なら出禁になるレベルだ。
これは実際に対応した看護師さんから、後になって聞いた話だが、そいつはある日突然ナースステーションにやって来て、そう言ったそうだ。
当然私は関係者以外の面会は禁止させてもらっていた。なので、当然看護師さんはその旨そいつに伝える。そうすると、怒号を上げて暴れそうになったそうだ。
さすがに一緒に来ていたもう一人の男が抑えたそうだ。だがどうしても面会させろと居座るため、私の親に面会の可否を尋ねていたところ、勝手にフロアを歩き回り、私の病室を見つけたのだそうだ。
そう、この常識知らずはあの塩田だった。
「はいはーい。私君。」
塩田が、病室のドアを開け顔を覗かした時の様子は今でも頭に残っていて、その時、今までに感じたことのない怒りを覚えたのを今でも鮮明に記憶している。
塩田が病室に入ってこようとした時、担当の看護師さんがちょうど隣にいた。
塩田が許可を得ずに歩き回っていたため、塩田を追ってきた看護師さんもその後ろにいた。
私の隣にいた看護師さんは、廊下にいる看護師さんたちに目で何かの合図をした。そしてうなづくと塩田たちにこう言った。
「恐れ入りますが、こちらの患者さんはいま面会を制限されています。」
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