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2-5 休暇のおわり4

数週間後の集会での出来事。

奉仕会と呼ばれる集まりでのことであった。

すべてのプログラムが終わり、あとは讃美歌と祈りを残すばかりとなったタイミングで林山が壇上の男性クリスチャンより紹介された。

林山は演台のところへといつもの調子で歩いていく。
マイクの高さの調整が終わると、演壇から会衆の成員を見渡す。そして一呼吸置いた後、口を開いた。

「会衆の皆さんにお知らせがあります。」

そういうと林山は胸ポケットから一枚の文書を取り出し、演台に広げた。そしてこう告げた。

「細畑兄弟をxx年xx月xx日をもって、長老として任命されたことをこことお伝えします。なお、細畑兄弟は会衆において主宰監督として仕えてくださいます。以上」

そう言い終えると林山は演壇を後にした。

この発表は、皆の予想をいろんな意味で裏切っていた。まず、細畑自身は万年奉仕の僕で終わるはずの人物だった。どうしてそう言えるのかというと、他のクリスチャンの仲間に対して、これ見よがしな高圧的な態度や、侮辱の言葉などを平気でぶつけることのできるおかしな性格をしていたからだ。

塩田という良いお手本があるからそうなったと言えばそれまでだが、細畑も塩田に負けず劣らず悪い評判を確固たるものとしていた。

幸いにして今までは権力を与えられることがなかったので、被害も一定のところで止まっていたのだが、これからは状況が違う。恐らくこういう推測をしている人は少なくないはずだ。

これに加え、新たに長老になり、すぐに主宰監督の任に就くことも異例のことであった。

一番権力を与えてはいけない人物に、会衆でトップの権限が渡った、これが何を意味するのか、容易に想像がつく。

そして、多くの人の予想は、それほど時間をかけず現実のものとなっていくのであった。

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