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1-6 長老たちとの話し合い1

 月曜日の夕方、私は親と共に王国会館へと向かった。

 到着するとすでに塩田長老とシンイチ、そして林山長老は席についていて、歓談していた。

 私たちの姿を見るや笑顔で近づいてきて

「ようこそ兄弟姉妹たち。きょうはエホバの前でともに信仰をさらに強めましょう」

みたいな事を言った。握手も求められた。

 案内された席に着くと、まずは祈りましょうと林山が言った。そして祈り始める。

 エホバの証人の祈り方は、福音書にあるキリストの祈りのパターンを踏襲している。

天に在します我らが父エホバ神

あなたのお名前が神聖なものとされますように

あなたのご意志が天におけると同じように、この地上においてもなされますように。

こんな決まり文句から始まり、このあと日々の糧の感謝や、お願い事を羅列していく。


この時は

あなたの身前で真実を語る勇気をお与えください。

仲間の信者同士愛を培い、愛で覆う機会をお与えください

などと言っていた。

 そして最後の決まり文句

全てをキリストの御名を通して祈りを捧げます

その後に アーメンの合唱。

 祈りの段階で大体どういう風に話を持って行こうとしているのかがわかってしまった。とはいえ、今はとりあえず話を聞くしかない。

 進行役の林山があいさつの言葉を述べた後、本題に入っていく。

 彼らの論点はこうだ。

悪行でないことを決めつけて悪行であると判断することは神様も許していない

仲間の信者を傷つける行為は、神様を傷つける行為である

 これだけなら、聖書に基くものだし、異論はない。だが、わたしがシンイチにこれらを行ったという文言が追加された。

 事実無根であるし、なんならこちらは一部始終聖書やエホバの証人のローカルルールに則り事を扱っている。

 どうしてこうなった?

 答えは簡単だ。シンイチがパパに嘘を吹き込んだんだろう。

 


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