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1-8 長老たちとの話し合い3

「え?!」

 塩田長老が思わず声を出した。同じタイミングでシンイチは舌打ちした。

「ちょっと待ってください。」

林山が私の発言を止めようとした。

「すみません。まだ終わってません。」

 私はさらに話を続けた。

目撃は不本意であった事。

それでも、聖書に即した手順で扱う必要と責任が生じるため、やむなくシンイチくんに「お父さんか林山長老に告白するよう」告げた事。

「これらの手順が聖書的に誤りであったのなら謝ります。」

とまで告げた。

 しばらく沈黙が続いた。

 二、三分くらいだったのだろうが長く感じた。この沈黙をシンイチの父親、塩田が破った。

「しかし、見間違えってこともあるし。まさかうちの子もエホバがいつも見ていらっしゃるワケだし、エホバの前でそんな事しない。」

 これに林山が続く。

「ま、まあ、人間は不完全ですから、間違いはありますよね。ここは互いに愛で覆いましょう。」

 私は彼らの発言が終わったあとこう告げた。

「私はあくまでも聖書に書いてあるとおりに、組織に教えられたルールに従って取り扱ったつもりです。違うのなら正しい手順を教えてください。」

 私がこう言うと長老は二人とも口をつぐんだ。私はさらに続けた。

「それから、見間違えではありません。証人はもう一人います。店員さんも窃盗を確認してます。お父さんは聞いてないのですか?」

 塩田はもはや上の空だった。そのあと割って入った林山も想像と違ったようで、訳の分からない締め方をして、この会は終了となった。



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