フラメンコライブを終えて
先日、フラメンコ教室でフラメンコライブが開催された。
私は、お友達と二人でティエントスという曲を踊った。
お客さんはフラメンコ教室の生徒さんの友達がちらほらいる程度で、ほとんどの観客は出演者でもある生徒たちなので内輪のイベントだ。
場所も、いつもレッスンをしている教室をライブ仕様に設えたものなので、そんなに気負った感じではない。
でも見ている人との距離感が近いので、大きな場所で踊るときよりも緊張した。
緊張するときの体感は、本当に意識が上に上がったまま降りてこない。
どんなに呼吸法をして背骨を意識しても、焦れば焦るほど緊張する。
もうこうなったら、小さな私という個人の意識ではどうしようもないので、緊張をほぐすことを諦める。
緊張する身体に任せて、曲を聴いて踊るだけ。
踊り始めると、私という個人の意識は薄くなるので、自然と緊張もなくなる。
あまり練習できなかった曲だけど、一緒に踊る友達がしっかり踊ってくれるので、私はそこに一体になればいいだけだった。
パレハという2人で対極で踊るフォーメーションにしたので、みんなが盛り上がってくれて嬉しかった。
今回は、私は1曲だけ踊ったので、他の人たちの踊りをじっくり観られて楽フラメンコを楽しめた。
フラメンコは、”これが正解” というのがない踊りなので、人それぞれの個性が光る踊りが観られる。
私はバレエを長いことやっていたのでエレガントになりやすいと先生に指摘されて、フラメンコらしさを追求している。
でも私たちはプロではないので、お金を取れる高度な技術を身につける必要もない。ただフラメンコを踊ることが楽しいという気持ちがあれば、観ている人にも伝わるものがある。
フラメンコでは、お客さんもハレオという掛け声で参加する。
私は、プロのライブを観たことがなくてインスタやユーチューブで何となくこんな感じかな〜な感覚でハレオをした。
最初は、他の人がオレ〜と言った後に続いて言ってみる。
そのうち曲の盛り上がりでなんとなくタイミングが分かるのでハレオを言うのが、めっちゃ楽しい。
歌舞伎の「成田屋ー!」とか、花火の「玉屋ー!」と同じ感覚だと思う。
ライブなので、ギターが早くなったり間違ったりアレンジしすぎたりすると、踊り手が戸惑って振りを忘れたりしちゃうけど、そういう時にもハレオで応援する。
そういうのがスポーツの応援にも通じるものがあり、舞台の上の人だけでなく観ている人との交流があってその場の一体感が素晴らしい。
私は小さい頃からバレエをやっていて舞台で踊ることは多かったけれど、お客さんのエネルギーを感じることってそんなになかったので、これはフラメンコならではの醍醐味だと感じた。
フラメンコライブの後は、ライブ会場でもあったお教室で打ち上げをした。
普段、自分のレッスンの前後のクラスの人たちとしか交流がないので、いろんなクラスの人たちとお話が出来てフラメンコ談義に花が咲いた。