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肚を決めて挑む

演劇プロジェクトの配役を決める、キャストオーディションまで、あと、3日に迫ってきた。

なんだろう、この緊張感。

このプロジェクトを受けるときとは、全く違う質の緊迫感が全身を包んでる。

受かったらいいな。
ではなくて、絶対受かる。

…と、肚に決めて。

毎日、必死で練習を重ねてる。

一世一代の大勝負にでるような。
オリンピックにでも挑むような(笑)
そんな気分。

キャストオーディションなんて初めてで、何をどう準備したらいいか全く分からないし、とにかく、手探りで。

しかも、チャレンジすると決めたその役柄に挑戦するひと達は、わたしからみたら、みんなすごいひと…

舞台経験がないのはわたしだけで、一瞬、怖気づいたけど…

やれることは、全部やるしかない!!

幼い頃から夢に、やっと気づいてあげられて。
やっと、それをさせてあげられて。

その舞台に向けて。長野から東京に何往復と。
家族の温かい協力と応援と得て、たくさんのエネルギーを注いできて。

はじめは、お稽古できるだけで幸せで。
舞台に出れるだけでいいって思っていたけれど。

本気の仲間達と、本気の時間を過ごすなかで、わたしの本気もどんどん増して。

最高のかたちで、舞台に立ちたい。

そう望めるようになったことに。
自分でも驚いている。



「ちゃんと望む」
…って、わたしにとっては案外難しいことだった。

はじめは「ちゃんと望む」こと自体が、難しかった。
何を望んでるのかも、分からなくて。混乱した。

さいご、これに挑戦する!
と、決めた役柄は、最初に提出した配役希望とは全く違うものになった。

はじめは、それを望んでいることにさえ気づかなかった。

“わたし、舞台にでたかった” という幼い頃に抱いた、純粋な想いに、大人になるまで、ずっとずっと気づかなかったように。

本当の望み、本当の願いって…

「これは、望んではいけない」って、無意識のうちに押し込めちゃうのものなのかもしれないって思った。

親やまわりの顔色を伺って。

選ばれなかったときが怖くて。

あれは、あの人のものだからと遠慮して。

自分でつくりあげたセルフイメージを崩したくなくて。

ずっと、安全の妥協点ばかり探ってきた。

そうやって生きてきたから、本当はどうしたいのかって。望むって何なのかって。わからなくなって。

もしかしたら、望むことすら、諦めていたのかもしれない。

それに、ふと、気がついたとき、やっと、やっと、わたしはこれがやりたいんだなって、みえてきた。

こんな風に、すべてをかけて、舞台に挑戦するのは、きっと、これが最初で最後。

一生に一度のチャレンジ。

これが終わったら、その先に何があるとかない。

それでも、どうしても、これをやり切りたい。それが、わたしにとって、とても大切なことだって思うから。



3日後のキャストオーディションは、みんなが、本気で望んで挑んでくることを知っている。

それぞれの人生ストーリーの文脈のなかで、ちゃんと望んで、何かを掴み取りにくる。

傷つく覚悟と、
傷つける勇気をもって、
ぶつかることのできる、世界で一番安心安全な、舞台の稽古場だからこそ。そんな仲間だからこそ。

かっこ悪くても、本気で、真っ直ぐに、挑んでみよう。

2022年7月3日
(文責:キャストゆうき)

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