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ありのままの私〜自分の中の差別意識と向き合う〜

女性装をしている東京大学教授の安富歩(あゆみ)さん。
数年前に彼女(彼ではない)の書いた文章をネットで読んでとても印象的だったのですが、今回の参院選に出馬されて街頭でお話をしている動画を何本か見たことで再び関心を持ちました。
率直に分かりやすい言葉で、現在の社会で起こっている問題の本質へ迫っていくようなその話を聞いていると本当に快かったです。

この「ありのままの私」は、安富さんが女性装をするまで、そしてしてからの出来事や心のうちが綴られているエッセイです。
(中古本か図書館で読めます。)

読みながら自分の中の、差別意識や無秩序を嫌う心(それは強烈な「分けたい!分けてそしてより有利な方に入って安心したい!生き残りたい!」という思いなのだけど)に気づかされました。

かなり昔のことです。小学校高学年の時に読んだ小説に「仮性半陰陽」(生まれた時に身体的に両性の特徴を持つ)という特徴をもつ主人公が出て来たのですが、子どもの私にとってはそれはかなり大きな衝撃だったのです。その時に自分は違うから良かったとか、そのような人をかわいそうだと思う心が生まれていたんですね。そんなのすっかり忘れていたのだけど、これを読んで思い出したのです。

でも身体の特徴なんてグラデーションのようなもので、「いろいろな人がいる」というだけです。きちんと分けられていないからどうだと言うのでしょう。
(そのように生まれついた方の精神的な苦痛に関しては、ここで言っているのとはまた別の問題です。もちろん苦しみへの理解やケアやサポートがある方が良いことは言うまでもありません。しかし多くの人の中の差別意識が意識化されて変化していけば、このような方々の苦しみは生まれにくくなるでしょう。)

もう一つ、自分自身への差別意識から生まれた苦しみなのですが、私は骨格がしっかりしていたり、筋肉も付きやすいとか、どちらかというと男性的に思える自分の身体がとても嫌だったのですが、これも「あぁ、呪縛されていた」と気づかせてくれました。「女性らしく」なくて女性のカテゴリーにちゃんと入っていない自分(主観です)に物凄くダメ出ししていたんですね。でもねぇ、自分が勝手に分けて勝手に駄目だと思っていただけでした。あははは。

安富さん、いつかお話してみたい方の一人です❤️