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ヴィーナスフォートの空

前回に続き、ヴィーナスフォートについて書きます。

ヴィーナスフォートはエンクローズドモールと呼ばれる屋内型施設で、雨の日でも、いつも晴れた空を見上げることができます。

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初めてヴィーナスフォートに来た時も、その後も、私はこのきれいな空にうっとりして魅了されていました。

もちろんフェイクの空=「空の照明」なのですが、フェイクだからこその表現もありました。

この「空の照明」の大きな特徴は、約1時間で、1日の空の変化を表現するというもの。特注の調光制御装置により、16パターンもの空の表現があるそうです。

そのため、数時間も滞在していれば、淡い水色の空、深い群青色の空、夕焼け色の空…etc。さまざまな空の表情が、自然に目に入ってくる作りになっています。

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空の照明は、現実の空とは違って、1日の中で昼と夜を何度も繰り返すことになります。

ときにその様子は、空は昼間のように明るく、街並みは夜のように電気が灯っているという2つの相反する景色が共存しているようにも見えます。

さらに、こうした景色が、ヴィーナスフォートの外の現実の空とはまたギャップを生じているはずで、二重構造の異空間になっている、そんな風にも考えられるのです。

その空間はまるで、ルネ・マグリットの《光の帝国》を彷彿とさせます。

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ルネ・マグリット《光の帝国》1954年、油彩・キャンバス、195×130cm、ベルギー王立美術館

昼とも夜とも言えない、時間を忘れさせてくれるような不思議な空間。

光の帝国にも、ヴィーナスフォートの空の照明にも共通していて、一瞬の美しい神秘を感じさせてくれます。

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