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ニューヨークで初ランウェイ出演!
2015年、私は初めてNew York Fashion Week(以下NYFW)で歩くことができました。
その中でも、一番初めに出演したスペイン・バルセロナ発のブランド”Desigual"のランウェイは忘れることができません。今回はそんな初ランウェイのお話です。
◆180cmクラスのモデルに囲まれて
数あるキャスティングの中でも、特にここDesigualで受けたものは記憶に残っています。
会場の雰囲気、並んでいるモデルの様子など色々と思い出しますが、中でも”他のモデルに対して自分の身長の低さが気になった”ことは今でも鮮明に覚えています。
180cmクラスのモデルに囲まれながら、自分史上最高の高さ13cmのヒールを履いて並んでいました。
今でこそ様々なタイプのモデルがいて、背が低くても歩けるような環境ですが、当時は177〜180cm以上が選ばれているようなとき。
私は176cmだったので小さい方。たかが数センチ、されど数センチの世界なのです!会場に入った瞬間に与える印象を変えたくて、自分のバランスが良く見え、なおかつ綺麗に歩けるギリギリの高さである13cmを選び履いていたわけです。それでどうにか他のモデルと同じ目線になれるくらいでした。
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ちなみに、現在(2020年)のランウェイのキャスティングでは安定感のあるブーツが主流ですが、2015年当時は皆ピンヒールを履いて受けていました。より安定感を保つのに体幹や歩く技術を求められる。私もキャステイング前に何度も歩いて練習したのを覚えています。
また身長だけではなく、他のモデルたちと並んでいると、その顔立ちの美しさやスタイルの良さに圧倒されることもしばしば…。でも、そこで弱気になってしまうと、本来あるはずの自分の良ささえも出せなくなってしまう…!オーディション会場では、無理やりにでも自分のいいところを思い浮かべることに徹底していました。
この頃は”ウォーキングなら負けない!”と思って臨んでいたかな?(実際は技術的にまだまだだったのですが、そこは思い込みで自信をつけていました笑)。
結果その自信がいい方向に。キャスティング後すぐにフィッティングに呼ばれました!ニューヨークでの初ランウェイ出演、決定です。
◆風変わりなフィッティング
フィッティングでは何着か着て、その度に歩いて見せる。似合うものがあれば、そこにスタイリストが小物を加えたり、スタイリングをさらにアレンジしていく作業が行われます。
ニューヨークでの初めてのフィッティングに緊張して行った私ですが、なんとこの時のスタイリストさんが日本語を喋れる方で、物凄くほっとしたのを覚えています。そしてご縁があったのか、この方とは後に日本で再会を果たしました。
フィッティングが終わった後には簡単なインタビューが待っていました。年齢や国籍、そして今でも一番印象に残っている質問が”将来の夢”。当時の私は海外でモデルとして仕事をすることが目標で、それがちょうど叶い始めた矢先だったこともあり、その後のことを具体的に考えていませんでした。私が出会ったモデルたちの中には、10代で資金を貯めて大学に進学したいと言う子も多く、私も次の目標を見つける時なのかなと考えるきっかけになりました。
が、このインタビュー、とても珍しかったのかもしれません!こんなふうに聞かれたこと、後にも先にもこれっきり。普通はフィッティングしたら終わり、「当日よろしくね〜Bye〜」で帰ります。そう考えると、貴重な経験だったのかもしれません。
◆いよいよ当日!!
さて、迎えた本番日!慌ただしく始まるヘアメイクに、当然のように英語で説明されるリハーサル、どの衣装になったのかを確認する喜び、何もかもが新鮮で興奮していました。
もはや入館パスをもらえただけで嬉しかった笑
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当日はまさかの小物である鼻ピアスの位置が調整され、初めてだった私は「痛い〜…!」と少しもがきましたが、なんとか装着。まさにランウェィは生もの。最後の最後まで模索してベストを尽くす現場の雰囲気が、とても心地よかったです。
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全てを終え、後は着替えて本番という時、バックステージで
「あみちゃ〜〜〜ん!」
と呼ぶ声。え?日本語?空耳?と思って振り返ると、見慣れた顔が!!
その方は、私が本格的にモデルを始めた時からお世話になっている、いわば仕事での”お母さん”のような存在でした。なんと、その当時Desigualの日本のPRを担当されていて、そのことをすっかり忘れていた私は、バックステージで会えたことに「なんで〜?!」という気持ちと、同時に、昔から見てくれていた方に初めてのNYFW出演を見てもらえることに嬉しすぎて、涙腺崩壊寸前…!が、既にヘアメイクをしているから泣けない…笑 そこはプロ根性でどうにか抑えました。
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大切な人に見守られて、いよいよ本番。出番直前の袖では緊張がMAXに…!(今でも本番はいつもこうなります)。
1着目(左)はランウェイに出た瞬間、”私いま、NYFWで歩いてるんだ…!”という感動が押し寄せてきて、少し力んでしまいましたが、2着目(右)にもなるともうノリノリ笑 アップテンポな曲に合わせてぐんぐん歩くことができました。
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そばで見ていたお母さんも、2着目よかったねとのこと。やはり本人がどういう心持ちでいるのかで、見え方もだいぶ変わってくる。練習で色々できてないことがあっても、本番は何も考えず楽しんだもん勝ちなんですよね。
歩いているのは1着につきほんの何十秒かで、一瞬で終わってしまうけれど、ここに辿り着くまでには多くの人の努力が詰まっている、そんなことを感じながら終わったNYFW1本目でした。
それから数年、ニューヨークでは様々なランウェイに出演させていただき、たくさんの人たちと交流してきました。苦しくて辛い思いもするNYFWですが、それと同じくらい素敵な出会いと本番を終えた時の達成感があります。また、経験するたびに毎回必ずハプニングが起きるので、確実にタフな自分になっていきます笑 チャンスがあるのなら一度は飛び込んでみてほしい場所です。
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