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現場が凍りつきました、、、attitudeって何?
忘れもしない、帰国直前のNY撮影。
この頃、ショーやスチールの撮影が多かった私は、日本でもほとんど動画撮影に参加する機会がありませんでした。そんなとき、まさかのNYでその機会が巡ってきたのです。
◆容赦ないスチール撮影
モデルはレディース3、メンズ3の計6人。スチール、動画の両方がありました。
スチール撮影では、まずそのうちの5人が呼ばれて撮影(え?6人で撮るんじゃないんだ?と結構驚きました)。センターとなるモデル2人は決まっていたようで、それを囲む3人は並びのバランスを見ながら決めていく、というものでした。
なので、最初に呼ばれた(センターポジション以外の)3人も、残りの1人とメンバーチェンジして撮影を外れることがある。何パターンか撮る中で、当然ながら私がお休みのときもあり、最終的に自分が写っている写真が世に出るのか、それとも写っていないものが選ばれてしまうのか…しばらくはドキドキでした。
撮影に行っても、結局自分が写っていないカットが使われたり、もはやいるのかいないのかわからないくらいの存在感で載っていることも過去にあったため、この頃には「載ってたらラッキーだな〜」くらいに思い始めていました。
数ヶ月後、自分が写っているものを発見!
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アメリカの雑誌Tmagazineにも載ってたよ!って友達からも連絡がきました。嬉しかったなぁ。。
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◆最も記憶に残る撮影
大変だったのは動画!
日本でもあまり経験がなかったため、やる前から結構な緊張と不安がありました。しかもこのときの私、まだまだ英語に苦手意識あり。。
そんな心配をよそに、撮影は淡々と始まりました。
モデルは横一列に整列。その前をカメラが横にスライドしながら順々に撮影していくというもの。
モデル1人での動画撮影は経験がある私も、一回のカットで複数人が同時に撮られるという状況は初めてだったため、自分が失敗したら全員に迷惑がかかる、、、と、プレッシャーはMAXに。
しかも、それぞれ動きが違う。
2人で組んで演技するモデルもいれば、1人で動く子もいる(私は1人だった…!)。何回か確認を行なった後に、いざ本番。
私は横並びの3人目で、フォトグラファーのキュー(合図)が出たらカメラに近づいていくという動き。
カメラが動き始めると、すぐにキューが出ました。横にいた2人が動き始め、私は次に自分に出されるキューを待っていたのですが…
「STOP!STOP!」
カメラが止まり、静まり返る現場。
フォトグラファーが落胆の溜息をつきながら私を見て「Ami、どうして動かないんだ?僕がキューを出したら前に出てきてって言ったよね?」と苛立ちを露わにした声で言ってきました。
開始直後に出したキューで、横の2人と同時に私も動かなければいけなかったのです。が、私は勘違いしていて、自分にはまた別にキュー出しされると思っていました…けれどもその言い訳も英語で伝えることが出来なかった私は、ただただ謝るだけ。フォトグラファーの苛立つ様子に現場は一時凍りつきました。
何十人といる現場スタッフが音もなくシーンと静まり返る状況は、本当に息の詰まるもの…ですが、ここでへこたれても問題は解決しない。次のカットからはそれまで以上に集中して英語を聞き取り、撮るたびに出される指示にもなんとか食らいついていきました。あまりにも集中しすぎて、その後のことはほとんど覚えていないくらいです笑
唯一撮ってた現場の写真
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ちなみにモデル人生で現場が凍りついたことはこれで2回目。1回目はフォトグラファーとクライアントが言い合いになったことが原因だったのですが、今回は自分が原因だったため、本当に生きた心地がしませんでした。思い出すと今でもひやっとします。
そんな奮闘をした末に出来上がった動画はこちら。よければご覧ください!
◆アティチュードって???
海外の撮影では「attitude!!attitude!!」と言われることが多くありました。
attitudeの意味を調べると「態度、姿勢、考え方」など。
これだけだと、なんのこっちゃ?ってかんじで私もわからなかったのですが、この言葉を言うときって必ずみんな熱量を持って言ってくる。だからずっと、パッションと同じような意味なのかなと思っていました。
例に漏れず、この撮影でもめちゃくちゃ連呼されていました。スチール撮影のときは特に。
けれど、このフォトグラファーがこれまでの人たちとは少し違っていたのは、「attitude」の後に別の言葉を続けていたこと。
自信を意味する言葉「confidence」
さらには「like a gang!(もっとギャングみたいに!)」と。
この2つの言葉をもらったお陰で、求められているイメージをようやく掴むことができました。
今まで数々の現場で投げかけられてきた「attitude」の意味は、ただの「態度」という意味から派生して「自信のある態度」「生意気」「態度の悪い」このあたりの意味で使われていたのです。
わかるまでに何十回と撮影をこなしてきちゃいました。みんなただただ「attitude!more attitude!!」しか言わないんだもの。
でもそのくらい、写真にこのイメージを求める人が多いんだな、誰しも自信のある姿に惹かれるんだなということもわかりました。だからこそ、モデルはハッタリでもいいからそういった姿を見せていかなきゃいけないんだ、とも思いました。みんなが求めるものを演じられる人がモデルなのかもしれません。
◆どんなことも経験する価値がある
現場を凍りつかせながら、わからない言葉に奮闘しながら、それでもなんとかやってきたことは、一つ一つが忘れられない出来事として心に残っています。もっと簡単に、効率よく出来たこともあるかもしれませんが、遠回りして余分に色々なことを経験していくのが私の人生なのかもしれません。
だからこれからモデルを経験していく人にも、たくさんのことを見聞きしてほしいです。そしていつか共有してほしいし、一緒に話したいとも思っています。
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