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大きな事務所の中で顔を覚えてもらう

現在私が所属している事務所には、多いときには100人を超えるモデルが在籍しており、日本の中では大きな事務所にあたるかと思います。
そんなに人数がいると、1人のモデルに対して専属のマネージャーがつくことは難しい。撮影はこの人、ショーはこの人、というように仕事のジャンル毎に担当マネージャーが変わります。つまり、マネージャーは1人で何十人ものモデルを抱えているのです。

その中でより多くの仕事のチャンスを得るには、顔を覚えてもらうことが必須。

もちろん、マネージャー達はモデルの顔や名前を覚えています。けれどその中でも、何か仕事の案件が来たときに優先的に思い出される人がいる。「こういう仕事があるんだけど、誰かいない?」といったマネージャー同士のちょっとした会話に、即座に名前が挙がるモデルは強いです。

◆コミュニケーション。些細なことでも話す

では、どうしたらパッと思い出してもらえるモデルになれるのか。

抜群にいいプロポーションを作る?
SNSを積極的に動かす?
いい写真を撮ってくる?
ウォーキングを練習する?

どれも必要なことで、間違いではありませんが、

一番は、マネージャーとよく話し、コミュニケーションをとることだと思います。
自分がいくら頑張っても、その頑張りを仕事へ繋いでくれるマネージャーと意思疎通がとれていないと、結局は無駄に終わってしまいます。

特に事務所入りたての頃は、自分がどんなキャラクターでモデルとして何を目指していくか、マネージャーとしっかり話しておくことが必要です。
ただオーディションや仕事をこなしているだけでも、ある程度のコミュニケーションは取れるかもしれませんが、今後どういう方向で頑張っていくのか、どういう気持ちを持って臨んでいるのかをお互いに知るには、少し足りないのかなと感じます。

自分はこんなことで悩んでいるとか、こういう仕事ができて嬉しかった、最近はこういう趣味にはまっている等、自分の話をしておくこともモデルにとっては大切な仕事の一部です。

プライベートは一切見せず、仕事は仕事と割り切って臨める職業もあるかと思いますが、表現することを仕事としているモデルにとって、プライベートは完全に切り離せるものではありません(そもそも体型を整えることからして、仕事の時間だけでは成し得ないことですしね)。
逆に言うと、プライベートを充実させればさせるほど、仕事の幅も増える職業です。

例えば、趣味でゴルフをやっている人は、ゴルフのカタログ撮影や、それ以上に動きが求められる動画撮影でも呼ばれることがある。
私がやっているダンスにしても、モデルの中で踊れる人がほしい!というときに呼んでもらえることがあります。

だから常にアップデートして、今はこんなことをやっています!と伝えておく。メールや電話でもいいのかもしれませんが、お勧めは直接会ったとき。顔を合わせることによって、その物事に対する熱意が相手に伝わりやすいですし、視覚的なものを伴った話は人の印象に残りやすいです。

こんなこと話してもな…と思っているものが、案外人と違っていて、興味を持ってもらえることもあります。私の場合のそれは、宝塚観劇とゲームかな!

◆事務所に顔を出す。数分間のおしゃべり

コミュニケーションをとるにはマネージャーがいる場所に出向く。ということで二番目に挙げるのは、事務所に顔を出すことの大切さ。

たった数分の会話でいい。Say Hello!するだけでもいい。

たまに、仕事が取れてなくて申し訳ないから…体型が中々整えられてなくて恥ずかしいから…と事務所に行くことが気まずかったり、怒られるんじゃないかと思うと怖くて行けなかったりする人がいますが。

じゃあその問題が解決する日って決まってるの?
1人で悶々と考えて解決できる問題なの?

顔を出して叱咤激励してもらったり、自分が少しずつでも努力していることをアピールしたり(伝えないと、全く何もやってないと思われる可能性大!)、その上で何が足りないのか教えてもらったり…行って話すだけで、1人では気づけなかったことに気づいて「あれ?悩んでた時間なんだったの?」と思えることも多いです。

そしてこんなことを話しているうちに、マネージャーとの関係性も自然と深まっていきます。

ちなみに私は、自分はお喋りが好きだったんだ!とモデルになってから気づいたくらい、事務所でよく喋ります。楽しかった現場のこと、憧れのクリエイターさんとお仕事ができて興奮したこと、最近あった出来事まで…気がついたら3時間も滞在していることがありました。迷惑、、笑

こちらは真面目に事務所でミーティング中の写真(2018)

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◆コンポジ5枚作戦

ただ喋りに行くのは気まずいなぁと思う人は、仕事が近くであったから!とか、オーディションで使うコンポジが足りなくなったからとか(嘘でも可!笑)、いろいろと理由をつけていくといいです。現に私はそうしていました。

家も遠いし、事務所に中々顔も出せないという理由でモデルたちがコンポジを10枚以上補充していく中、えて5枚だけ取って帰り、なくなったらまたすぐに来る。そのついでにマネージャーと話す。それを繰り返していました。

当時の私は、BOOKに入れる写真を撮ることに全力だったため、雑談ついでに必ず「何か作品撮りのオファーはありませんか?」とか「作品撮りしたいです!あったら私に投げてください!」という話を毎回のようにしていました。(当時の詳しい話はこちらの記事に。興味があれば是非!↓)

あとで聞いたところによると、マネージャーにはそれが印象的だったようで、この子は作品撮りに意欲的なんだと思ったらしく、事務所に作品撮りのオファーが来たときには真っ先に私のことを思い出してくれていたようです。ラッキー!

お陰で、何度も機会をいただくことになり、仕事ではないところでも撮影の経験を積むことができました。

◆やりすぎくらいが丁度いい

人数の多い事務所にいると、マネージャーもかなり忙しくしているし、気遣いから連絡を頻繁にするのを控える人もいるかもしれません。けれど、実はそこはあまり考えなくていいのかも…!自分がコミュニケーションをとりたい意思を伝えるためにも、積極的に連絡を取るくらいの姿勢が良さそう。
(もし本当にやりすぎていたら、あちらから何かアクションを起こしてくれるはず…それがないうちは大丈夫かな?と思っています笑)

連絡をして、マネージャーからの返信がこない…こういう時ももちろんあります。緊急じゃない限りはさすがに何日か待ちますが、それでも来なかったら再度連絡。

「1ヶ月返信がこない…」と言っている子の話も聞いたことがありますが、それはさすがに返信忘れかな。人間なので、読んで返信を忘れてしまうこともある。そこは、返信してくれなかった…と思うのではなく、あー忙しくて忘れちゃったのかな?とポジティブに考えて、躊躇ためらわずにもう一度連絡しちゃえばいいのです(ちなみに私はせっかちなので、絶対に1ヶ月も待てません笑)。

それは返答を求めるような連絡以外でも。

先に言っていた作品撮りの件。やりたいです!って一回言うだけではもちろん効果は薄い。何度も何度も言って初めて印象に残ります。正直、一回くらいならみんな言ってるから。

はじめはちょっとしつこいくらいに連絡する。
私の場合、まずはその件でメールをして、何か別件でメールをしたときにまた聞いてみて、さらには事務所に寄ったときに「そういえば作品撮りって何かオファー来てますか?」って…本当にしつこく聞いているときがありました笑。

今だと知り合いの方々(フォトグラファーやメイクさんなど)に自分からお声掛けさせていただくこともできるのですが、新人のときってまだ知り合いもいない状態なので、どうしても事務所が頼り。言い方は悪いですが、使えるものは使う!の精神でとことん頼ったらいいのです。

何回も言って、作品撮りの機会がもらえればラッキー。でも、もし機会が得られなかったとしても、「撮影に意欲的な子だ」という印象が残れば、それでOK。一番大切なのは、コミュニケーションをとって、何かあったときにすぐに思い出してもらえるような存在になることです。

◆おわりに

大きな事務所では、人が多い分、様々なジャンルの仕事がありチャンスにも恵まれます。けれどそのチャンスを掴めるかどうかは自分次第。そして人数が多いということは、他のモデルの中に埋もれていってしまうこと・忘れられてしまうことのリスクもあります。

いろいろな事務所があるし、これは私が実感したことなので、当てはまらない状況もあるかもしれません。
けれど、どんな事務所でもやっぱり、マネージャーとのコミュニケーションが取れているモデルは、その事務所と長く付き合いがあり、仕事も続いているように見て取れます。

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鈴木亜美
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