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好きな色と似合う色、気になる色、色選びについて

地方で編み物講師をやっている。

主にウエア物を、すなわち着るものを作るお手伝いをしているわけだが、

材料選びが大事な作業のひとつと捉えている。

毛糸を選ぶ時、素材の種類、糸の太さや形状などと共に考えないといけないのが、色選び。

そして、この色選びに個性が現れやすく、しかもその人の心理が垣間見れるようで面白いと、端から見ていていつも思う。

毛糸を選ぶ時、実店舗に行って直接目で見て触って選ぶやり方や、ネットや通販などカラー写真などを見て選ぶ方法等がある。

編み物教室に通っているなら、先生が糸の見本帳なるものを各メーカー取り揃えて持っている場合が多く、
その見本帳には、糸の端が5cm程貼られていたり、色の画像が全色載っている。

その中から、糸の種類と色を選んで注文するというのが編み物教室ではよく行われている糸の選び方なのだ。

例えば、スタイルブックの中の作品を作りたいと思ったとする。
その作品と同じ糸を使うのが一番手っ取り早いので、糸の種類は同じものを使う、でOK。

しかし、色は自分で選ばなければならない。

まあ、色も、作品と同じ色を選べば悩む必要もないが、

「他の色も見てみる~?」と先生が見本帳を開いて見せてくれて、
その糸が、よりによって、滅茶苦茶色数が多いときた日にゃ、もう大変。
目移りはするわ、自分に似合うか似合わないか・・・と思い始めるわ、
あのスカートにはこの色の方が合うかしら・・・と、我が家のクローゼットの中を思い浮かべたりと、
脳内大渋滞中、となりかねない。

しかし、それもまた楽しい時間なのだ。

迷いに迷って、ワケわかんなくなった生徒さんから、
「先生、どの色がいいと思う?」という質問を受けることはよくある。
そして、この質問に応えるのが、私は一番好きで楽しい。

色彩については、本格的に学んだわけではないが、元々ファッションが好きで色には興味があり、
編み物の勉強を重ねる中で、色彩検定資格を持っていらっしゃる先生の講義を受けたり、カラーセラピーをかじったりしてきた。
その人に似合う色を見つけるのも得意な方だと自負している。

カラーセラピーを知ってからは、色の心理的効果などを考えるようになり、余計面白さが増した。

何気なく選ぶ色に、その時の心の状態が現れる。
無意識に、今の自分をサポートしてくれる色を選んでいることもよくある。
その色を身に付けることで、何らかの心理的サポートになるというのがカラーセラピーの考え方だ。

色選びで悩む人の中には、自分に似合う色がしっかりわかっている人と、そうでない人といる。この色似合うかな、と考え始めて迷いの渦にはまる、というパターンもあるし、
例え、似合う色をよく理解していて、合わせるお洋服との組み合わせもバッチリなおしゃれさんでも、色見本を眺めている内に、迷い始めることがある。

色見本の中に、凄く気になる色があり、しかもそれが、いつもは好みではない色だったり、
自分には似合わないと思う色だったりすると、決められなくなる。

迷っている生徒さんに、
「気になる色はどれ?」と聞いてみる。
「この色が気になるんだけど、でも、この色は似合わないし、持ってる洋服とも合わない気がして・・・」
と、思考で頭の中が混乱中の生徒さん。

「気になる色って言うのは、今のあなたに必要な色かもよ。」
と、応える。
そう、思考でなく直感で決める。
それも時には必要。
そして、直感で選んだその色が持つ意味を、知りたい人には伝えるようにしている。

自分には似合わないと思い込んでる色も、他人から見るとお似合いよ、ということもよくある。
そうお伝えしても、思い込みをはずすことが、簡単にできない人もいる。
そういう人は、自分より他人を大切に考え、自分のことを後回しにしがちな傾向がある、そういうタイプかもしれない。
自分の思いを外に出さず抱え込むので、ストレスを感じやすくなる。
自分の直感を信じられない、と思ってしまう人も多い。

ストレスを感じている人こそ、直感的に目が行ったり、何だか気になる色、というのは、大切にして欲しいなと思う。

似合うか似合わないか、とか、コーディネートのことをあれこれ考え始めると、その直感は薄れてくる。
直感とは、最初に感じたことであって、あれやこれやと思考を重ねた結果出した答えではない。
自分が最初に感じたことを、ちゃんと受け入れることが、自分を信じて大切にすることに繋がる。

たかが色なんだけど、でも、知れば知るほど興味が湧くし、心のことを知る手がかりにもなる。
何より、それぞれが、より良い方向へ向かうことができればいいなと、思いながらお話しさせて貰っている。

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