感情を自分の中に通して流す
誠実で裏切るとか嘘をつくことができない主人公。
部下思いで、母と兄弟をいつも思いやっている。
家族や友人たちとの縁は深いのだけれど、自分の苦しみや悲しみを腹を割って話せる人はいない。
何故なら、
周りの人の方が自分より悲しんだり怒ったりするから、それを見たくなくて周囲に自分の内側を隠して生活している。
彼の怒りの矛先は、自分よりも権力があり、その権力を保身のために使い部下をゴミのように扱う上司に向けられる。
そんな主人公が、ある日、兄弟たちにあることで責められて、「本音を言って怒れ!」と、激情型の弟に言われ、
「お前がそうやって怒るから、怒らせたくなくて悲しませたくなくて僕は自分を押し殺してきた。」と、
そして亡くなった父親がいつも言ってくれていた
「大したことないさ」という一番言ってほしい言葉を誰も言ってくれない…と、刹那げに語ります。
元々持って生まれた性格と、子供の頃の環境で、人格が形成されると心理学的には考えられてるそうです。
この主人公の場合、生まれながらに優しくて優秀、加えて貧しく我慢を強いられる環境で、泣き虫で弱気な兄と、怒りっぽくて自由奔放な弟に挟まれて、いつしか自分の思いは後回しにする癖がついた。
潜在意識の中には不条理なものへの怒りがあるのだろうけれど、本当の自分を押し込めて、相手の思いを優先してきたのだと、想像できる。
怒りは癒やしにはならない…ことは、私も経験から知っている。
本当に辛いときに「大したことないさ。」と言って笑ってくれる事が、慰めになこともある。
全ての人がそうとは限らないけど、
少なくとも、自分を後回しにする性分だと、心の中のものを隠してしまうから、本当に生き難い。
そんな時に、
「お前は間違ってないよ。大丈夫。ちゃんとわかってるよ。」と理解してくれる人が側にいたら、また頑張れるだろうな。
ただ、やはり、ちゃんと表に出してやれなかった怒りは、からだの中でくすぶり、どんな形であれ、いつかは表に現れる。
この主人公も、妻に対して隠した怒りを消し去ることは出来なかったみたいだし。
激情的に起こっても、後引きずらなければ、それはそれでちゃんとした解決法だしね。
怒りを恐れているわけではなく、不条理な怒りにはちゃんと対処できて、
その上で、怒りも哀しみも自分の中を通して流す。
それが本当の優しさなのかもしれないな・・・と、この三兄弟のそれぞれの怒りかたを見て感じた。
兄の本当の辛さもわからず、猪突猛進的に怒りをぶつける弟(それはそれで彼の優しさなんだけど・・・)。
怒りを制御することが苦手な私は、彼に向かって(TVに向かって)
「ちょっと黙って察してやれよ〜!」って言ったけど、
それ、そのまま私に返すわ、と次の瞬間思ったね。
韓国ドラマ「マイディアミスター」
最終回、久々に大号泣して頭痛くなったけど、いいドラマだった。
序盤暗すぎて辛くなって、しばらく離れてたけど、再開後は一気見。
そして、感動。心に残る名脚本。
これだから韓国ドラマやめられん!
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