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【いまさら聞けないWebマーケティングのきほん②】マーケティング・プロセスとは?

飯田亜美です。

今日はマーケティングの全体像を理解するために
マーケティング・プロセス
についてまとめたいと思います。

【マーケティング・プロセスとは】

マーケティング・プロセスは
マーケティングの一連の流れを表すものです。

多くの場合、以下の6つに分けられます。

【1】市場分析
【2】セグメンテーション
【3】ターゲティング
【4】ポジショニング
【5】マーケティングミックス
【6】実行と評価

一つ一つについて説明していきます。

【1】市場分析

マーケティングの初期段階でとても重要なのが、
その企業が属する業界の環境を調査し、
分析していくことです。
内部環境(自社の強みや弱み)、
外部環境(自社が参入する市場など)の
どちらも情報を収集し、それに対する解釈を加え
「自社の強み」や「顧客に対しての価値は何か」
といったことを分析していきます。

市場分析で使われる主なフレームワークは、
下記です。

○PEST分析
外部のマクロな環境調査をおこなうためのフレームワーク。
外部環境とは
「政治(Politics)」
「経済(Economy)」
「社会(Society)」
「技術(Technology)」の4つを指します。

○3C分析
外部環境として「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」
内部環境として「自社(Company)」の調査を
おこなうためのフレームワーク。
主観を入れずに客観的な事実を集めるとともに、
顧客を軸として見ていきます。

○SWOT分析
自社を軸に、4つの観点で見ていきます。
4つの観点とは、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」
「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」です。
PEST分析や3C分析が事実を集めることが主なのに対し、
SWOT分析はそこで集められた情報から、
戦略目標を導き出すための解釈を加えていく役割もあります。

【2】セグメンテーション

セグメンテーションとは、
市場ニーズや消費者の持つ価値観をカテゴライズする作業で
市場細分化とも言われます。

市場分析の結果を踏まえた上で自社が提供したいもの
と市場や顧客の整合性があるか
見極めるためにセグメンテーションの実施が必要です。

適した市場を見つけるためには、その市場にいる顧客のニーズや
価値観などをもとに分析していきます。
また年齢や性別といったデモグラフィックや地域差を加えたりするなど、
より細かく細分化していく場合もあります。

【3】ターゲティング

セグメンテーションで細分化された市場内のニーズを考え、
自社の商品やサービスが最も強みを出せる場所を
意思決定することが、ターゲティングです。

ターゲットティングをするときは、
特に次の5つについてよく検討するとよいと言われています。

・市場動向
・顧客の属性
・市場規模
・参照へ期の有無
・競合企業

自社が競争優位性を維持し続けられるか否か
冷静に分析することが大切です。
セグメンテーションが市場細分化と呼ばれるのに対し、
ターゲティングはその中での見極めをおこなっていくことから、
「標的市場」「市場の絞り込み」と呼ばれることもあります。

またセグメントが「分類」なのに対して、
ターゲティングはその中の「誰に対してか」という役割と
捉えてもいいでしょう。

【4】ポジショニング

ポジショニングは、市場の中で自社の商品やサービスを
ターゲットに認識してもらうためのプロセスです。

セグメンテーションで細分化された市場、
その中で設定されたターゲットに対して、
自社の商品やサービスの価値を認識してもらうステップです。
そのため競合他社との明確な差別化をすることがポイントになります。

ポジションをしっかり確立できれば、
消費者が自社の商品やサービスに対して求めていることが
抽出できたり、新規ニーズの獲得に繋がったりします。

セグメンテーションの「分類」、ターゲティングの「誰に」と
いうのに対して、ポジショニングは「どの立ち位置で」と
いった捉え方をすることもできます。


また、ポジショニングで役に立つフレームワークとして、
ポジショニングマップ」があります。

○ポジショニングマップ
業界内における、自社の位置づけを示す二次元のマップ。
独立性と重要度が高い縦軸と横軸で構成し、
競合と重ならない空白の位置を取るようにすることがポイント。
現状だけでなく、将来的に優位に立てる位置を取るというのもポイント。

【5】マーケティングミックス

マーケティングミックスとは、
実行戦略の位置づけを行うことです。
これまでのステップで作りあげてきたことに対して、
実際にアプローチしていく方法を組み立てていく
戦術的なプロセスとなります。

なぜマーケティングミックスという言葉が使われるのかというと、
実行のために複数の要素を組み合わせていくからです。
この複数の要素は基本的に4つに分類され、
これをもとに「4P」というフレームワークでまとめられています。

○4P
販売に影響を与える4つの要素を分類、それぞれの影響を考えていくもの。
4つの要素とは「製品・サービス(Product)」「価格(Price)」
「立地・流通・販路(Place)」「販促・広告(Promotion)」を指します。
この四要素の頭文字を取り、「4P」と称されます。

マーケティングミックス≒4Pという考え方が基本でしたが、
近年は生活者(消費者)の視点をより重視する意味で、
企業視点である4Pに対して「4C」という考え方を
取り入れるケースも増えています。
近年は顧客視点で商品やサービスを分析することが
重要視されているので、4C分析に時間を費やす企業が多いです。

○4C
「顧客価値(Customer Value)」「顧客にとっての経費(Cost)
「入手の容易性(Convenience)」「コミュニケーション(Communication)」の
4つの要素をもとにした、生活者視点のフレームワーク。


マーケティングミックスのステップでは、
この4Pまたは4Cをもとに実行戦略を検討するとともに、
評価の基準となる
「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」
も併せて定めておくようにしましょう。

 最終目標は
「KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)」
ですので、
KPIはそれを実現するための中間目標となります。

そのためにまずは、最終ゴールであるKGIを明確にしておくことが大切です。目標を俯瞰しながら、さらに可視化するための方法としては
KPIツリーを作るのが一般的です。
またKPIについては定量的な評価ができること、
つまり数値管理が可能なことも押さえておきたいポイントです。
このKPIは次の実行と評価のステップで、戦略の結果を評価するために必要な指標となります。

マーケティング・ミックスを実施するタイミングでは、
このKPIの洗い出しをしておくのを必ず忘れないようにしましょう。
ここで評価基準を明確に決めておくと、
次の工程である実行と評価の作業がスムーズになります。

【6】実行と評価

ここまでに策定したマーケティング戦略を実行するステップです。
ここでマーケティング担当者が強く意識しておきたいのが、
評価についてです。
マーケティングミックスで定めたKPIがここで生きることになります。

単に「良かった/悪かった」という全体評価ではなく、
検証をおこなうことでマーケティングプロセスの
どこに問題があったのかを見つけていくことが、
大切な取り組みになります。
マーケティングプロセスに当てはめて振り返ることで、
「セグメンテーションまではうまくできていたが、
ターゲティングを間違っていた」などの誤りが掴めます。
集客から商談や販売といった、
実行のステップごとにKPIを設けておくことで、
マーケティングプロセスの中で策定していた戦略とのギャップも
見えやすくなります。

【まとめ】

一連の流れは理解できましたでしょうか。
大まかな全体の流れを理解していると
のちにひとつの業務に取り掛かるときに
現在の業務がどこにつながっているのか、
どこに位置しているプロセスなのかが
俯瞰しても見られるようになるので、
作業を実行する実行者としてもスムーズに連携が取れるようになります。

マーケティング・プロセスは、私にとって
ゲームの攻略方法を考えているようでとっても楽しいプロセスです。

マーケティングプロセスのトレーニングを何人かで例を出しながら
模擬的に練習するのも力が付くと思うのでおすすめです。

ぜひこの全体像を理解して、
楽しくマーケティングに取り組んでみてくださいね。

本日は以上です。
お読みいただきありがとうございました。

株式会社LIFE DESIGN 飯田亜美

https://mtame.jp/marketing_foundation/marketing_process/ 
https://kotodori.jp/research/marketing-process/(参照URL)

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