ぐらしあすの「森田療法の神髄について⑤」
ある朝、病院の犬を散歩に連れていく作業担当はぐらしあすだった。
いつものように散歩をしていると、草むらからネコのような鳴き声が聞こえてきた。
近づいていくと、段ボールの中に子ネコが3匹とコンビニ弁当が1つ置かれていた。
ぐらしあすは、この状況でどうしようかと迷った。
そのまま立ち去ると、この子ネコ達は死んでしまうかもしれない。
結果、自分が入院している病院に連れて帰った。
大原健士郎氏にはひどく叱られた。
ここは病院だぞ!!って。
そりゃそうだ、立場上叱らざるを得ない。
一方主治医は、あまり気にしなくていいですよと言った。
さて、これからこの子ネコ達をどうするかだ。
今振り返ってみると、このイベントが森田療法における課題の最たるものとなったと思う。
まず、ナースに報告しリーダーにも報告した。
そしたら、ナース達がデイルームのアルミサッシの外、と言っても雨はかからない場所に、ちょっと大き目の段ボールを置いてくれて、さらに鳥よけにネットまで被せてくれた。
森田療法メンバーで、この問題についてどうするのが良いか話し合いをした。
いろんな意見が出て、まず、子ネコもらってくれませんか?というポスターを何枚か手書きして、それらを病院職員の目につきやすいところ、例えばタイムカード打刻機の真上の壁や職員の通る廊下などに貼った。
すると早速その日から、上の2~4階(森田療法メンバーが入院しているのは1階)のぐらしあすの知らないナースたちが来て、ネコをかわいいと言って楽しげに遊んでくれるということが数日続いた。
子ネコ達を連れて帰ってきた翌日、副院長がキャットフードの差し入れをしてくれた。
数日と言っても1週間も経たないうちに、子ネコの親になってくれるナースが今日は1匹、そして翌日には別のナースが1匹というように、3匹とも、それぞれ親になってくれるナースが自宅に連れて帰ってくれた。
ネコを病院に連れて帰ったことは事実
じゃその猫たちをどうするか
誰かに飼ってもらいたい
まず3匹の子ネコ達ことを職員に周知しないといけない
ポスターを貼った
ドクターもナースも協力してくれた
結果3匹の子ネコ達の親になってくれるナース達も喜んでくれた
というように、森田療法メンバーで考え、ナースやドクターも巻き込んで
とてもハッピーなイベントになったのである。
メンバーはアサーションが苦手であったり、HSP的であったり、課題解決をする過程でつまずいてしまう(神経質で石橋を何回も何回もたたいて渡るか、立ち止まってしまうか、他者と協力して何かを形にしていくことなど)傾向があるが、今回皆が協力し合って課題を最良の結果に導いた。
つまり、皆控えめではあるが、何か困難に直面した時に、実は協力し合って問題解決出来る力を十分に備えているのだ。そのことに一番気付いていないのは自分自身なのだ。
続く。
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