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あみあげミトン🧤出演者インタビュー(ショーグン×保坂聖弥)

気軽にきさくに演劇をたのしむためのお気楽企画「あみあげミトン」。出演者インタビューは3回目を迎えました。今回は「大学時代、メイドカフェや鬼怒川温泉に一緒に行く仲だった」という『FAINT』出演者のお二人に、マイクを向けてみました。 


△通し稽古前のショーグン(左)と聖弥(右)

―ご自身と相方の簡単な紹介を、お願いします

ショーグン 企画の主催者のあげさんと同じ職場で働いている、出無精な社会人です。ジャンルを問わず、大の漫画・アニメ好きです。
相方とは、大学の演劇サークルで出会いました。とにかくトガった「反体制派」の人間で、いいところは持っていくやつ、という印象でしたね。

聖弥 同じく社会人で、ちょっとおカタい職業に就いています。士業系、と思っていただけたら。おいしい物が食べられるお店を開拓していくことと、キャンプが好きですかね。
相方はいつも、うまいぐあいに皆をまとめつつ、尻ぬぐいをしてくれていたなあと思います。

ショーグン 何回…何回、尻ぬぐいをしたことか!

機会があるなら、せっかくだから…

―そもそも、お二人が企画に参加したきっかけは

ショーグン 主催者のあげさんに声をかけられたのがきっかけですね。
あげさんとは今、職場の同僚なんですが。2月ごろ、仕事の合間にこそっと「演劇の話があるから、ラインを教えて」と言われたんです。あげさんが演劇をやっていたことは知っていたので、彼女が出演する舞台のお誘いか何かだろうと思っていたら…まさかの、「出る側」のお誘いでした(笑)。
その後に詳細を聞いて、相方に声をかけました。僕が、「一緒にやりやすい人」ということで彼を選んで。聖弥さんとは元々、大学で一緒に演劇をやっていたんです。

仕事帰りに林から出演オファーの詳細を聞くショーグン

聖弥 僕も、やることになったのは……誘われたからっすね。演劇をやることはもうないと思っていたんですが、こんな機会があるなら、せっかくだからと。

ショーグン ためらいみたいなものも特になかったです。
僕、あと数年で地元の愛媛に帰る予定があって。その前にもう一度やるのもいいなと思いました。

―お二人とも大学時代に演劇をされていたと。その時のお話を聞かせてください

ショーグン 僕は大学のサークルに入って、丸四年を演劇に捧げました。一度だけ大学の外でも出演経験があります。
一生懸命やりつつも、演劇を仕事にしようという気持ちはなかったです。
聖弥さんは、途中からだよね。

 聖弥 大学一年の最後の方に、同じサークルに入りましたね。
入学当初は、大学から家が遠かったので、活動的なサークルに入っても時間的に余裕がないだろうと思って様子見していたんです。それが途中から時間を作れそうだということになり。面白そうなところを探しました。

ショーグン 最初、背の高いド金髪が来た…って、もうびっくりしたよ。

大学時代、共演しているショーグン(左)と聖弥(右)

聖弥 それまでスポーツばかりやっていたのですが、全く違うことをやってみたいと思って。なんとなく興味があった演劇サークルに入りました。入ってからはそれこそ「がっつり」やっていましたね…3、4年の時には、外部の公演にも出たり。
実は卒業後、社会人になってからも、しばらくは続けていたんですよ。

聖弥 ただ、まもなくしてコロナが流行しだしてしまって…。出演予定だった舞台がいくつか流れてしまいました。
そのあたりで「これは潮時だな」と思って、スパッと演劇から離れました。満足してしまったのだと思います。もともと演劇を見ることはあまりしていなかったので、関わっていたのはそこまでです。

ショーグン 僕も実は、社会人になってから、大学の同期と一緒に劇団を立ち上げることを計画していました。コロナの流行を含めいろいろな問題が生じて、その企画は頓挫してしまったんですけど。
その時は「巻き込まれた」形だったので、自分から「やっぱりやろう」と思い立ったわけではないんです。やろうと言われたからやろう、というくらいの温度感で。大学時代のように演劇への熱が再燃することはなかったです。

ショーグン 思えば単純に、仕事が大変で、それどころではないというのもあったかもしれません。
聖弥は社会人になってもやっていたわけじゃん、それはなんで?

聖弥 ………もうちょいやりたくなっちゃったんだよねーーーー


『FAINT』稽古中の聖弥。仕事帰りのためお堅い服装。

ショーグン 魔が差した?

聖弥 まさに。「魔が差した」、よ。

ショーグン コロナでいくつか舞台がダメになった後に、再燃することは?

聖弥 なかったねえ。よし、ここまでだ、と思っちゃった。納得するまで続けてみて、そこで満足できた。
 新卒で就職してはいないんです、僕。しばらく演劇をしていたから。もしすぐに就職していたら、どこかで演劇をやりたくなって、仕事を辞めかねなかったと思います。


『FAINT』稽古中のワンシーン

引退したOBが、試合をするようなイメージで。

―今回の演劇はどんなスタンスで取り組みたいですか

ショーグン 楽しんでいたい。自分たちが楽しんでいないと、お客さんに良いものは見せられないと思うので。

聖弥 同じスタンスでいます。部活動を引退したOBが、試合しているようなイメージ、ですかね。

―お二人はもともと、あまり悩まれる方ではないですか

ショーグン 大学当時はそりゃあ…役作りで悩むことはありましたね。
忘れもしない…自分たちの卒業公演で、演出家にだめ出しをもらっていたんですが。「こうだよ」と言われることが全く理解できなくて。できない自分が嫌だったし、フワッとした演出に対しても怒りが湧いてきて…演出家に対して「お前、いつかぶっ殺してやるからな」と、本気で言ってしまったことがあるほどです。

聖弥 役に悩むっていうのはまあ、ありますよね。
僕の場合は卒業後にもやっていたので、「新卒で就活をしないで、本当によかったのだろうか…」という、進路に関する悩みもありました。…あの時はきつかったっすね…。

大学時代、稽古中のショーグン(上)と聖弥(下)

―ここまで「FAINT」に取り組んできて、どんなことを感じますか

ショーグン 第一に、「衰え」を感じますね(笑)。最初に二人で読み合わせをした時なんか、まあ~声が出ない。おまけにセリフ覚えも悪い。
 以前は僕、誰よりもセリフを覚えるのが早かったんです。人のセリフもすべて覚えるほどで。今は自分のセリフすらままならないです(笑)。

ショーグン でも、やっていて楽しいですよ。こういうの、やっぱり好きなんだなと思わされます。

聖弥 そうっすね、ただただ楽しいっすね。毎日毎日稽古漬けだった以前とは違って、ラフにあーだこーだ言い合って、試行錯誤していく感じで。渋谷のカラオケで読み合わせしたりとかね。

リラックスしている稽古終わりの二人

聖弥 作品について言えば、いろんな年代の方が「自分事」に感じられるところがありそうです。
例えば、一幕はちょうど僕らの年代なので、台本を読みながら僕自身、「久々にこういうことやりたいなあ」と思ったりしました。
それぞれの年代が考えていることとか、感じる懐かしさだとかを、共有できたらと思います。

ショーグン コメディ寄りだけど考えさせられるなとは思いました。悩んでいることがある人に、あらためて考えるきっかけになればいいかな。

聖弥 選択っていろいろあると思うんすよ。でも、正しいとか間違っているとかは別になくて、その人自身が解釈していい。そういうことが、描かれていると思います。

ショーグン あとは、僕二人芝居をやったことがなかったんですよ。聖弥もそうかな。
だから、男同士の掛け合いというか、そんな大それたものではないですけど、今までになく新鮮ですね。
僕らを知る人が見るのなら、新しい感じで見てもらえるんじゃないかな。


(インタビュー 常岡あさえ)

公演詳細はこちら

あみあげミトン
『FORWARD 二人芝居短編集』

人間関係は前にしか進まない。好むと好まざるとに関わらず。

企画 林揚羽
脚本 阿南 改時期

2024年 <全6ステージ>
4月20日(土) 13:00/16:00-/19:00
4月21日(日) 11:00/14:00-/17:00
※上演時間は60分
※受付開始・開場時間は15分

青山展示室246
渋谷駅・表参道駅より徒歩10分
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-14-13 岡崎ビル2F

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