世界の伝統的なお菓子〜フランス〜
2022年、新年一発目の記事です。
フランスのお菓子といえば何が思い浮かびますか?
マカロンやカヌレ、タルトタタンなどたくさんありますよね。
今回はそんなフランスの伝統的なお菓子についていくつか紹介していきたいと思います。
①マカロン
・16世紀にイタリアのメディチ家からカトリーヌ・ド・メディシスが
フランス王のアンリ2世に嫁いだ際に伝えられた
・イタリアのヴェネツィア地方の方言で「繊細な生地」という意味の
「マッケローネ」が語源
・肉食を禁じられていた修道女たちがこのお菓子に着目し、
フランス各地の修道院で作られるようになった
・フランスでマカロンが有名な地方は、パリ、ナンシー、アミアンなど
・マカロンパリジャン:カラフルな2つの生地の間にガナッシュなどを
はさんだマカロン。日本でマカロンといえばこれ。
・ナンシーのマカロン:フランス北東部の町ナンシーの修道院で生まれて、
フランス革命を期に街に広まったマカロン。
表面が固くひび割れしていて、中はやわらかい食感。
・アミアンのマカロン:丸く分厚いクッキーのような形で、食感は硬く
ざらざらしている。
蜂蜜やアーモンドオイル、エッセンスを加えているのが特徴。
・他にも地方ごとに特徴のあるマカロンが存在する
・マカロンで有名なお店は「ピエールエルメ」「ラデュレ」
「ジャン=ポール・エヴァン」など
②ガレット・デ・ロワ
・フランスの新年のお菓子で1月6日のエピファニーの日に食べる
・フランス語で「王様のお菓子」という意味
・パイ生地にアーモンドクリームとフェーヴ(陶器の小物。最近では
アーモンドが代わりに入っていることが多い)が入っている丸い形の
平たいパイで表面には切り込みの柄が入っている
・フェーヴが当たった人は王冠を被り、みんなから祝福される
・パイを人数分に切り分けたらテーブルの下にその中で一番若い人が入り、
どのパイを誰に渡すかを指示する
・最近では日本でもメジャーなお菓子になってきており、
百貨店やパティスリーなどで年末年始に販売されている
③カヌレ
・フランス南西地方に位置するボルドーで生まれた地方菓子
・縁がギザギザの縦に12本の溝の入った円柱型のカヌレ型を使用して
焼いた焦げ茶色のお菓子
・ラム酒やバニラの香りが特徴的で、表面は蜜蝋が使われているので
艶のあるカリッとした食感になっている
・ボルドーではワインの生産が盛んで、ワインを造る際に澱を取るために
卵白を使い、余った卵黄でカヌレを作ったという説がある
・他にもボルドーの港に外国からラム酒やバニラなどの食材が
入ってきたため、ボルドーでカヌレ作りが盛んになったとの説もある
・最近日本でも流行しており、プレーンのカヌレだけでなく
生クリームがのったものや様々なフレーバーが販売されている
④タルトタタン
・煮たりんごに生地をかぶせて焼き、ひっくり返したタルトのこと
・タルトをひっくり返すので、逆さまのタルト(タルト・ランヴェルセ)
とも言われている
・19世紀、ホテルタタンというホテルで働く姉妹が作ったタルトの
うっかりミスが始まりという説がある
・ある日ホテルはとても忙しく、調理を担当していた姉妹がうっかり
タルト生地を敷き忘れてりんごと砂糖のみを型に入れて焼いてしまった。
慌てて生地を上に被せて焼いてひっくり返してみたところ、
キャラメリゼされたりんごの美味しいパイが出来上がり、
ホテルの新たな名物となった…という話なのだが、創作という説もある
⑤クレープ
・小麦粉や卵、砂糖などを牛乳で溶いた生地を薄くのばして
鉄板やフライパンで焼いたお菓子
・クレープはフランス語で「絹のような」という意味
・フランス北西に位置するブルターニュ地方はクレープの名産地と
されており、クレープを出す専門のレストランであるクレープリーが
たくさんある
・フランスでは2月2日にクレープを食べる習慣があり、聖母マリアの
お清めの日に食べていたことが由来となったとされている
・蕎麦粉と水と塩を混ぜて薄く焼いたクレープは「ガレット」といい、
主に食事系のトッピングで食べられている
・フランスには「クレーピエ」という職業があるほど主流のお菓子である
⑥マドレーヌ
・小麦粉や砂糖や蜂蜜、バター、卵を混ぜて焼いた貝の形をしている
小さな焼き菓子
・パウンドケーキの一種
・フィナンシェと似たようなものだと認識されることがあるが、
フィナンシェは卵白を使用して作るのに対し、マドレーヌは
全卵を使うため硬めに仕上がる
・由来については諸説あるが、1755年にマドレーヌを作った女性の
名前にちなんで名付けられた
⑦モンブラン
・甘い栗のピューレとホイップクリーム、メレンゲを使ったお菓子
・フランス語で「白い山」という意味
・アルプス山脈に近いフランスのサヴォア地方やイタリアの
ピエモンテ州などで食べられていた栗をつかった家庭菓子がルーツ
・1903年、その栗の家庭菓子をもとにパリにある「アンジェリーナ」で
モンブランが作られた
・昭和初期の1933年に日本人菓子職人の迫田氏が、パリやアルプス山脈の
シャモニー=モン=ブランを旅行し、そこで出会ったモンブランを日本に
持ち込んだことで日本でもメジャーなケーキとなる
(アンジェリーナに許可をとった上で持ち込んでいる)
・フランスのモンブランは栗のペーストをそのまま使っているので薄茶色、
日本のモンブランは栗の甘露煮を使っているので黄色である
⑧クイニーアマン
・薄い生地とバター、キャラメリゼした砂糖を使った伝統的なお菓子
・1860年、ブルターニュ地方のドゥアルヌネのガブリエル・ペリ広場に
あったパン屋で、余ったパン生地を使って作ったのが始まり
・フランスのブルターニュ地方に伝わる言語「ブルターニュ語」が語源
クイニー=お菓子、ケーキ
アマン=バター
・19世紀、ブルターニュ地方にて男性が女性にプロポーズする時、
クイニーアマンを贈る伝統があったらしい
なんだか書いていて口の中がだんだん甘くなってきました。
お砂糖とバターがふんだんに使われいるフランス菓子。
華やかなケーキだけではなく、素朴な焼き菓子も種類が豊富にあって
選抜するのが大変でした。
(あんまり書きすぎてしまうとかなりの長文になってしまうので
泣く泣くカット…)
さすが美食の国ですね。
こんな調子で今年もゆるりと続けていけたらと思っています。
引き続きよろしくお願いします。
ではまた、次回をお楽しみに。