朝からこんな贅沢が許されて良いのか? ~中編~
福島『麺』道中 #9
1.旅のしおり
6/30(日) Day2
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7:00 山形県米沢市ホテル発
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8:10 朝食 「坂内食堂」(←now!)
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10:30 昼食 「高遠そば」
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11:00 大内宿
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14:00 塔のへつり
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15:00 会津さざえ堂
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16:00 夕食① ?????
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16:30 夕食② ?????
2.行列に並ぶのはマジョリティか?マイノリティか?
喜多方市。8時10分。
日曜日の朝だというのに(しかも雨まで降っているというのに)、「坂内食堂」の前には、すでに20人ほどの行列が出来ていました。
「このぐらいの行列なら、待ち時間は30分ぐらいですね」
貴景勝くんがクールな顔つきで予言しました。
「前回、昼間に来たときは2時間ぐらい並びましたから、このぐらいの行列は余裕っす」
貴景勝くんと出会って2年。
この時ほど、彼が頼もしく思えた時はありません。
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ちなみに皆さんは行列に並ぶのはお好きですか?
僕は貴景勝くんと出会って、グルメ行脚をするようになるまで、行列に並ぶのがあまり好きではありませんでした。
行列のその先にどれだけ美味しい料理が待ち受けていたとしても、1時間も2時間も並ぶのは耐えられない。
それよりなら「コンビニ弁当でも買って、公園のベンチで食べますよ」っていうタイプの人間でした。(実際、最近のコンビニ弁当って旨いですからね)
セブンイレブンの唐揚げ弁当を食べながら、「皆さん、よく並ぶよなぁ」とか呟いて、長い行列を横目で見ているような人間でした。
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そもそも人はなぜ行列に並ぶのでしょうか?
心理学の先生が仰るには、『同調行動』と呼ばれる現象らしいですね。
つまり
「基本的に人間は『多数派=マジョリティ』になりたがるものであり、他者と同じ振る舞いをすることで安心感を得ているのだ。」
というのです。
「こんなに行列してるんだから、きっと有名店なのだろう。俺も(私も)並んでみよう!」ということらしいのです。
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う~ん。どうでしょう?(シゲオ・ナガシマ)
果たして、本当にそうでしょうか?
世間一般を俯瞰で見れば、行列に並ぶ人の方が少数派(=マイノリティ)ではないのでしょうか?
実際に自分も行列に並んでみると、通行人の人たちの「朝からこんなに並んで、ご苦労様だね」といった、幾ばくかの冷気を含んだ眼差しを感じることとなりました。
僕たちには「(行列に並んでいる)自分たちが多数派(=マジョリティ)だ!」といった優越感は全くありません。
夏場の行列なら汗だくになり、冬場なら寒さに凍え、今日のような梅雨時であれば、霧雨に濡れるのです。
格好や体裁など気にしてはいられません。
行列に並ぶという行為はフィジカル的にも、メンタル的にも相応の忍耐と労苦を必要とするのです。
むしろ、行列に並んだ人々の間に存在しているのは、「自分達は一つの目標に向かって突き進む、数少ない同志(=マイノリティ)である」といった不思議な連帯感のような気がするのです。
そんなことをボンヤリと考えている間に(現代心理学にイチャモンをつけている間に)、店内に案内され、いよいよ僕たちの注文の番になりました。
ふと腕時計に目をやると時刻は「8時41分」。
貴景勝くんの予言どおり、行列に並び始めてから30分が経過していました。
「福島『麺』道中 #10 へ続く」