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オタクこそ断捨離をしろ

「断捨離」と聞いて威嚇体勢になったそこのオタクこそ一回聞いてほしい。

断捨離は別に「全部捨てろ」とか「お前のコレクションは必要ないから手放せ」とかそういうことを言っているわけではない。というか全然違う。
「旦那のコレクション全部捨てた」とかそういう話は次元が違うので一回忘れてほしい。というか他人の物に触ってはいけないのは大前提にあるのだが、家族間となるとまた色々あったのだとは思うのでそこは置いておきたい。

なぜオタクに断捨離を勧めているのか?

それは断捨離は「自分の価値観の整理」に繋がるからである。


■断捨離とは?

そもそもだが断捨離とは何か?
コトバンクが簡単にまとまっていたので引用したい。

モノへの執着を捨て不要なモノを減らすことにより、生活の質の向上・心の平穏・運気向上などを得ようとする考え方のこと。2009年刊行の『新・片づけ術「断捨離」』(やましたひでこ著、マガジンハウス)により提案された。断捨離はヨガの「断行・捨行・離行」から生まれた言葉で、「断」は入ってくる要らないモノを断つこと、「捨」は家にあるガラクタを捨てること、「離」はモノへの執着から離れることを表す。

コトバンク https://kotobank.jp/word/%E6%96%AD%E6%8D%A8%E9%9B%A2-1817296

要は「家にあるいらないものは捨てて、いらないものを入ってこないようにして、モノに執着するのをやめること」だそうだ。
ここで重要なのは「ガラクタ=いらないもの」を手放す、増やさないということだろう。
逆に言えば「いるもの」なら持っていていいし、買っていい。

これを判断する、その力を養うのが断捨離だと私は考えている。

なお、モノの執着から完全に離れられれば御の字だろうが、そうなるともうこの社会では生きる活力も萎みかねない。というか私自身物欲が最低ラインになった時期は家に寝転がって一日が終わっていたのでマジでそこまで目指さないほうがいい。この資本主義社会では一定の物欲は生きる糧にもなる。ハズ。
なのでこの際「離」は一旦置いておいてもかまわないとも考えている。
もちろん行き過ぎた欲は抑えるに越したことはないが……

■価値観を見直す

「いるもの」と「いらないもの」。

床に落ちている鼻をかんだティッシュは完全にゴミだし「いらないもの」だろう。即座に捨ててほしい。さっさとゴミ箱に入れる、そのごみ箱がないなら買うべきである。(ここでそこら辺のゴミになるはずの箱とかを使うと崩壊するから、マジでちゃんとごみ箱を買うのをおすすめする)

毎日コーヒーを飲むのに使っているマグカップは「いるもの」だ。
しかし、そのマグカップが欠けたら? 割れてしまったら? その時には「いらないもの」になるだろう。(金継して使うとかは置いておいてほしい)
またそのマグカップが「とりあえず買ったが気に入らないもの」だった時は、はたして「いるもの」なのか「いらないもの」なのか?
他にも「温かいものが好きじゃないからほとんど飲まない」人にとってマグカップは本当に「いるもの」なのだろうか?

断捨離とはこういことを繰り返していく作業である。
自分の持っているものを、すべて丁寧に吟味していくのだ。

もちろんオタクグッズだって同じように吟味する。
「本当に欲しかったグッズだろうか」
「3年押し入れの箱の底にあったこのクッションはこの先日の目を見るだろうか」

そのようなことを、ひとつひとつ見て考える。

「私はすべてのグッズを持つことに喜びを覚えるのだ!」

そういうことであれば、そうすればよい。すべてのグッズを丁寧に収納し所持したらよい。
ただそこでも立ち止まってほしいのだが、あなたは本当に「作画がいまいちだったアクスタ」「造形がいまいちだったプライズフィギュア」なども後生大事に宝物として持ち続けるだろうか? 押し入れにしまってそのまま忘れないだろうか?
もちろん「いやそれはそれで愛しい」「某忍者のようにネットミームとして価値がある」「全部飾る」というなら止めないし、止める権利は誰にもない。大いに楽しむべきだ。

なお私は「この程度でも喜んで買う」と思われるのが癪だなと思うタイプである。
嫌じゃないか? 「どうせこのジャンルのオタクはどんなのでも買うだろ」とか思われて作画がいまいちなグッズとか、なんでそのテーマで作ったかよくわからないグッズとか出されるの。我がメインジャンルのことだよ!!!! そのテーマは何なんだ!? ってのが色々出た。いや、なんか嬉しかった時期もあるんだけど、というかたまに刺さるのでそれは否定できないんだけど、でもさすがにさあ! なんかこう、なめられてる感がたまにあってね?  冷静になると結構心が痛むのよ! なんだったのあのおばあちゃんちのカーペットみたいな柄の服着せられたの!!!
……この話やめよう、つらいから。

話を戻して。
自分にとって「本当に価値がある」と心から思えるものを残す作業、これが断捨離である。
だから逆に、他人から見たらとんでもないものが残ってもそれはあなたの幸せのためならそれでいい。

私だってめちゃくちゃ色々手放してるのに首がない兵士人形ずっと飾ってるし。

首がない兵士人形

というかこれ「首がないから」買ったし、壊れてるからって交換してくれようとしたレジのお姉ちゃんに「それが欲しいからください!」って言ってすごい顔されたし、でも本気で好きだし。遺品整理する人は「は?????」って言うと思う。先に謝っておこう、ごめんね。

しかもこれ残してるのに最近「電子レンジって本当に必要かなあ」って言ってる。いったん冷静になれるようにぶん殴ってもらっていい? 多分実験してみてマジでいらんかったら売るんですけどね、電子レンジ。

■手を付け始める場所

ここまでで、「断捨離は全部捨てろって意味じゃない」のは分かってもらえたと思う。というかわかって。本気で好きなら、本当に心の豊かさに寄与するなら、それはあなたに必要なものである。

とはいえいきなり趣味の領域に手を付けるのは難しい、というかめちゃくちゃハードルが高いと思う。
私の祖父さんみたいに祖母さんが死んだら遺された物を容赦なく捨て始める人とかじゃない限り難しいに決まっている。
(付け加えておくと祖父さんは祖母さんのことをちゃんと大事にしていた人、ただ自分もそろそろ死ぬし周りが迷惑するだろうで行動しているだけ。それにしても撮った写真全捨てはひっくり返ったけど)

なので私は、趣味じゃないけど触れることが多い場所から始めるといいと考えている。
具体的にはキッチンとデスクである。
あ、今は二次元系のオタクを念頭に置いているので料理オタクの方とかはまた話が変わるのはもちろんである。その時は置き換えて考えてほしい。

特にキッチン、冷蔵庫ははかどる。
なぜなら「消費期限」という、捨てるべき、従うべき基準があるからだ。
「賞味期限」はまだ食えるが美味しくはない期限なので、1か月過ぎたら食べなかったことを謝罪して捨てる等ルールを決めると良い。私は見つけ次第一週間以内に食うと決めたりしている。
他にも自分の自炊レベルや頻度、好きな味とかがわかっていればなおはかどる。辛いものが嫌いなのに唐辛子がアホほどあるとか、絶対使わんだろ。

デスクも実はやりやすい。
例えばもうインクがスカスカのペン、年に一回も使わないスティックのり、もう数年握っていない鉛筆……
使っていないし好きでもないものが結構眠っていることが多い。
あと「使ってはいるけど、地味に使いにくい」みたいなものも思考を鍛えられる。だからデスクはおススメの場所だ。

例えば私はボールペンジプシーやってたので色々買ったけど、最終的にSARASAに落ち着いたし、見た目かっこいいサラサグランドとかいうのが出たのでそれ買ってあと全部捨てたり、会社の共有部に置いたりした。会社に置けば誰かは使うし、何か気が付いたらなくなってたりするのがあったので何本かあっていい場所なのだ。というか持って行くのやめなよ誰か知らんけど

サラサグランド オレンジ色買いました

この二か所から弾みをつけて、自分の価値観を見直すことは案外難しくないと気が付いてほしい。

そして順番に、自分の持ち物すべてを見直してみてほしい。
本気でやったら数か月はかかるだろう。オタクはものが多いだろうからなおさらだ。
それでもやるべきなのだ、自分のために。
自分が家で心地よく過ごし、必要ではないものに貴重な時間やお金を費やさないためにも。

■捨て終わったら

持ち物を見直し、必要な物だけを残し終えたら(一旦保留にしたものもあるだろうが)今後買わないものも決めておくとよい。

例えば私はnotionにこのようなリストを作っている。

買わないものリスト

notionに作っている理由は、とりあえずここを探せば色々あるという状況にしてあることと、スマホから簡単に見られるしPCから編集できるからである。

そう、お分かりだろう。
断捨離をするとほぼ確実に買い物も上手になるのだ!
だって考え抜いたのだ。
「これは自分に必要か?」
「何を自分は必要としているのか?」
「何によって自分は満たされるのか?」

これら全部を、じっくり考えるのが断捨離だから。買い物にも必要な思考の訓練を積みまくったのだ。

でも出先でときめいたら忘れるのも人間だ。
だから冷静になるための「買わないものリスト」は有効に働く。
100均に行くときはマジで持って行くべきだ。安さの前に今までの思考が吹っ飛んでは元も子もないのだ。

もちろんリストの中に入れたとしても、考え抜いたうえで「今、これが必要」と判断したなら買うべきだ。天地がひっくり返っても買わないなど、そこまで窮屈に考えなくていい。ライフスタイルが変わればそのあたりも変わってしかるべきなのだし。

というかマジで必要かどうかの思考はちゃんと訓練したほうがいいぞ!
10万以上するパソコン買うのに「何をするのかを説明できない(したくないじゃなくてできない)」「とりあえずいるのかもしれないというだけで買う」が当たり前なのどう考えてもおかしいでしょうが! 日常だけどさあ!
いくら売るのが仕事でも「じゃあ整理して考えましょう、その要望であればiPadはあるということですしキーボードを買うほうがいいのでは?」という提案だってしますよ。浮いたお金で家族でちょっといい外食でも行ってほしいもん。
逆に必要なのに金をかけないのもよく見る。それだと動かないって言ってるでしょうが!

まあ何が言いたいかというと、本当に必要なものに投資するためにも必要でないなら切り捨てることも大切なのだ、ということだ。

■まとめ

ここまで長々書いたがめちゃくちゃ簡単にまとめると

  • 断捨離を通して価値観を整理して、自分にとっての要不要を見極められるようになろうね

  • 色々お金が必要なオタクこそ断捨離をして、自分が本当に幸せになる投資先を見つけようね

ということだ。

なお、私のこんな長ったらしい文章よりよっぽどわかりやすい動画があるので、ぜひ見てみてほしい。
10分以内でしっかりわかるので。

【オタクのミニマリスト論】:『趣味活インテリア』と『ミニマリズム』は両立できるのか?|【ゆっくり解説】(動画)

文章の方が読みやすい人はこちらもどうぞ。

【オタクのミニマリスト論】:『趣味活インテリア』と『ミニマリズム』は両立できるのか?|様子のおかしいインテリア店

断捨離を成功させるために以下も見ておくとさらに良。

【2軍のファンタジスタ】:断捨離が『成功する人』『失敗する人』の違いは仕分けの判断力にあり。|オタクのミニマリスト論

【断捨離のセオリー】:お片付けが『成功する人』『失敗する人』の違いは仕分けの判断力にアリ。|【オタクのミニマリスト論】(動画)

このブログ(youtubeチャンネル)、オタクに優しくてわかりやすいので興味沸いたら他も見てみて。暮らす場所って長く過ごすから心地いいほうがいい、そのうえでオタク趣味もがっつり両立させたいという願いを叶えるための足掛かりになるので。(宣伝)

自分の大好きな物だけに囲まれる生活は当たり前だがQOL爆上がりするので、全人類が目指してほしい。
私もまだまだ途中なので、この先もじっくり考えていこうと思う。

まあ、それでもたまに意味わからんもの買うんですけどね!!!
人間だもの!!!

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蛸介
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