モラハラの本を読み始めた
夫は相変わらず、ただ挨拶のみをする。おはよう、こんにちは、おやすみ。
今日の予定を私は話し、彼も話す必要があれば話す。お互いの予定に関係する事以外、話す必要がなければ話さない。
子供達がなにか私たちに話題を振れば、その会話に参加する。直接向き合って会話はない。見事なほど徹底している。
一度なぜ自分から会話をしないのか?と訊いたことがある。彼の答えは、こうだ。「君がしないから僕はしない。」と。
言葉で愛してると言うが、態度は「君が愛さないから、僕は愛さない。」である。言葉で「関係修復することを僕は諦めない!」と宣言しておきながら、なにもしない。だから態度は、「君が諦めたから、僕も諦める。」なのだ。
だから冷遇を続ける。お前が冷たいから、俺も冷たくあしらう。常に条件付きで、この人はいったい今まで本気で人を愛した事があるのだろうか?とさえ思えてくる。
おそらく彼自身も、条件付きで親に愛されたからなのだろう。私もそうだから、明確にそれがわかるのだ。それもその通りで、アダルトチルドレンはほぼ100%アダルトチルドレンのパートナーを選ぶそうだ。
最近読み始めた本("The Verbally Abusive Relationship, Expanded." by Patricia Evans) がある。おそらく日本語で言うと、モラハラ関係を認識するためのガイドでも言えようか。筆者がカウンセリングをした事例を元に、どんな言動がモラハラであるかを説明し、モラハラ加害者と被害者の思考のメカニズムを解説している。
これを読んで、改めて腑に落ちた。今まで私が受けた彼の言動は、まさにモラハラ行為だからだ。そして、私も似たような言動をしていた事に気づいた。
もちろん自分では気づいてはいた。数年前に毒親・アダルトチルドレンに関する記事や本を読みはじめて以来ずっと、自分がモラハラ加害者になりえること、毒親になり得る事は自覚してた。だから育児を通して、そうならないように努力はして来たつもりだ。
一方彼はメンタルヘルスの本など読まない。私が本から学んだ内容を提示し、説明づけようものなら、そんなものを真に受けるなと言い放つ。とにかく、私がなにか問題提起をするたびに、彼は頑固として耳を貸さない。終いには、「僕は君の子犬ちゃんにはならない!」と暴言を吐く。私の願望を聞き入れることは、自身のパワーの損失になる事としか捉えてない。
つまり私たちの関係は、支配する者と支配される者の関係でしかないのだ。相手の感情と言い分を否定し、ガスライティングする事は、まさにモラハラ関係であるのだ。
彼の両親がそうだから納得行く。私の両親もそうだから納得行く。
一方で、彼もそんな自分に葛藤し、改善しようと努力をする事はあったのは認める。だから私もこの20数年間なんとかやって来れた。しかし、その繰り返しで、結局私は自由になれないのだ。
君が幸せならそれでいいと言いながら、不満を言うと感謝が足りないと暴言を放ち冷たくあしらうパターンは、まさに飴と鞭を使い分け相手をコントロールする行為だ。
君は神経質だ。
君は考え過ぎだ。
君はセンシティブ過ぎる。
君は人のせいにばかりする。
そんなのは、受け止め方次第で変わる。
根性が足りない。
文句を言わずに行動しろ。
固定観念が強く過ぎる、もう少し視野を広めるべきだ。
そんな小さなことで、大袈裟に反応し過ぎてる。
その言動はバイアスだ。
その言動は侮辱行為だ。
その言動はリスペクトがない。
専門家でもないのに、本から学んだ事を鵜呑みにするな。
こんな風に否定ばかりされて来たわけだから、私の自尊心は低いままだった。アダルトチャイルドでそもそも自己肯定感が低い上に、パートナーにモラハラ行為を受けていれば、その負のサイクルから抜け出せなくなる。
今それに気づき行動している事は、そのサイクルから抜け出す大きな一歩であるのだ。そんな私ってすごい!と褒めてあげたい。
育児が辛くて愚痴を吐く私に、彼は嫌な表情をし、こんな真っ当なことを言い放つ事が多かった。
「自分を幸せにできるのは自分しかいない。ネガティブ思考は辞め、ポジティブな面に目を向けた方がいい。」と。
真っ当なことではあるが、共感がまったくない言葉だ。私の感情は否定され、上から下目線で私に言い聞かせる行為なのだ。
そう、自分を幸せにできるのは自分しかいない。その通りである。だから気持ちに寄り添えない彼から自由になる。モラハラ関係から脱することが、私の幸せに繋がるのだ。
センシティブで、神経質で、考え過ぎであっても、それは私であり、他人の気持ちを瞬時に察知し汲み取れる能力でもある。そのおかげで、私は出会った人たちが心を開き、彼らとうまく長く付き合えることができた。
だから私はそんな自分を大事にしたい。そんな自分を愛おしく守って行きたい。そして、そんな自分を肯定して愛してくれる人たちにだけ目を向け、その関係を大切にしていきたいのだ。