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ワークブーツでビューティーコロシアム

休みの日のルーティンの中に「セカストに行く」という行動があるんですよ。
目的は主に「ワークブーツ」「ジーンズ」「ミリタリーパンツ 」の出物をディグる事。
で…とある日の事、レッドウィングの8875を見つけたんですよ…

ボロボロで革もカッサカサで…
自分はレッドウィングの875を年代別に複数持ってるので、派生系の8875には全く触手が伸びんかったんです。

そんなこんなで時は流れ約一年経ったある日、またそのセカストに行ったら…
まだあるんよ…
可哀想な8875が…

なんか、どんどん端に追いやられて悲しそうに棚の上で、現れる事のない買主を待ってるんですよ…

なんか切なくて…

この子を何とかしてやりたいと。

とりあえず買いました。

腐ってもアメリカンワークブーツの雄「レッドウィングのアイリッシュセッター」こんなにボロボロでも4900円(税抜)
革のポテンシャルが高いのは知っとる。
おっちゃんが何とかしちゃる…と。

いつもならオキシ洗剤を水に溶いた液にドボンしたりするんだけど、革がカサカサになってたので、ウタマロ石鹸をブラシに取ってゴシゴシ洗ってみた。
汚れを落としたところで、3日くらいかけて陰干し乾燥。
この際半乾きの間に何度かに分けてデリケートクリームを塗布。
コレが大事な作業で、保湿をしながらゆっくり乾かさないと革の表面にクラックが入ったりする…
で、イイ感じに保湿しながら乾かし切ったところで次は油分補給…
ここからブリガと言うブーツ用のシューツリーを入れて靴紐を地獄締め…。

この作業結構重要で…
革靴とは木型に革を吊り込んで形を作って行くんですよ。
この可哀想な8875は完全に形崩れしてしまってるので、再度シューツリーに入れながら油分補給する事で形崩れを直して行く。

さてさてレッドウィングブーツはオイルドレザーなので、たっぷりと革がオイルを含んで革のしなやかさを保ってます。
みんなミンクオイルを入れたりするけど、ミンクオイルはベタベタ感が残るんよね…だから、あえてのマスタングペースト。
いわゆる「馬油」
コレは表面をサラッとさせながら革をモチモチに出来る逸品。
ちょっと値段が張るんじゃけどね。

で、何度かに分けてオイルアップして、また1日程度浸透待ちして…

革の弾力を取り戻したところで、次は補色…。
8875.は赤茶色の染料で革が染色されてるので、一度筆を使って補色。
使ったのはコロンブス のアドカラー「コイチャ」
コイチャとは言うものの、実際は良い感じに赤茶色なんですよ。アドカラーのコイチャは。
で、全体的に染め上げたら、また色の定着乾燥に1日。

そして補色も定着して形崩れも直ったところで、最後に色を整えて艶出し。 
Mモウブレイというシューケア用品メーカーの靴クリーム「レッドブラウン」

コレが8875の純正色にドンピシャだと思います。
それを塗布して豚毛ブラシでブラッシング…
馴染んだら馬毛ブラシで再度ブラッシング…とどめに山羊毛ブラシで艶出し


可哀想だった8875が…

蘇りました
綺麗になったでしょ?


元々履くつもりはなく、この子に新たなスタートを与えるのが目的だったので新たなオーナーの元へ旅立っていきました。

コレを記事にするつもりが無かったから、工程の画像も無くビフォー・アフターのみでごめんなさいね…

てな感じでした。

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