お前はもう死んでいる。しかし半分だけだ。
朝起きて、電気をつけた。
すると右目がぼやける。
目やにでも?と思い、鏡を見るが目やにではない。
メガネを掛けてみた。
裸眼の方が顕著にわかる。
明らかにぼやけている。
私の目に何が起きてるんだろうかともう一度鏡を覗く。
「あれ?右目の瞳孔が開いてる・・?」
すぐにこう思った。
「お前はもう死んでいる。しかし半分だけだ」
わたしは強度近視で、緑内障の治療をしている。
目がチカチカしたり、痛かったり
極端に、見えにくい時はすぐ受診するように医師から言われている。
つまり強度近視で加齢の人は目の病気のリスクが高い。
そのために半年に1度の視野検査と2ヶ月に1度の視力や眼底や眼圧の検査をする。
この間検査をしたのは2週間ほど前だ。
特に視力、眼底眼圧、視野検査で大きな問題はなかった。
瞳孔って左右対称とかってあったっけ?
明日からまた出張だ。
今日眼科へ行かないとならない。
出勤前に眼科へ立ち寄ることにした。
普段は掛けないメガネ。
電車の中で本の立ち読みをしていたら
具合が悪くなった。
後一駅のところで、貧血に見舞われた。
しゃがんでやりすごし、少し楽になる。
駅のホームのベンチに少し座って。甘い飲み物を飲みほした。
私の体に何が起きてるんだろう。
貧血と見え方の違和感は別なんだろうか。
九時過ぎに病院に到着。
右目がぼやけるんですというと
視力と眼圧の検査をした。
視力の検査をしていて思った。
視力はきちんと出てるのだ。
診察になった。
60半ばの医師が私の目を覗き込んで
「うーん・・何か薬とか飲んでる?」
「いえ。飲んでいません。先生、瞳孔って左右大きさが違うんですか?
「今、薬の質問をしたのはそういうことなんだけど
確かにあなたが言うように、右目の瞳孔が開いてるね。」
医師は何度も、目の中を見たりとか、目の動きを何度も確認した。
そして、「瞳孔が開いてるのはおそらく視神経の異常から来るものと
考えるのだけど、もし本当にそうなら、眼球の動きとか瞼とかが
変な動きをするんだけど、あなたの目には一切そのような動きがない。
網膜、角膜も見たけど異常はないんだ。」
医師は思い立ったように本のページをめくって
瞳孔を小さくする薬を点眼してみることになった。
「10分待ってね」と言われ
10分後呼ばれて、また目の中を見た・・
瞳孔は小さくなっていない。
そして
「今日は時間はあるの?」というので
「はい。時間は大丈夫です」というと
「悪いんだけど夕方にもう一度来てくれる?」
そしてそのまま出勤した。
会社で「どしたの?」と聞かれたので
「右目の瞳孔開いたままなんだ。原因不明」
コンタクトをしていれば見え方はあまり気にならない。まぶしいとか見えにくいとかもない。
夕方、瞳をのぞいてみたらまんまるだった眼球は小さくいつものサイズに収まっていた。
裸眼でも見え方を確認したけど 問題もない。
ともかく明日の出張の準備、会議に追われる。そして4時くらいに仕事を中断して病院へ。
夕方の病院は朝と比べ物にならないくらい混んでいる。
帰りは遅くなるかなーと、思っていたらすぐに呼ばれた。
ダンディ医師は
「どうかな?」と仰るので
「戻ってると思います。」
というとまた目の中を十分に確認して 「そうだね。戻ってる。これはね色々調べたんだけどアディ症候群と言ってね原因不明の現象なんだ。他に全く異常がないのに、瞳孔だけが開く。点眼しても効果はなく時間が経つと戻るの。」
「へー。そんなことあるんですね。」
「もしね、頻繁に同じようなことが起こる時は脳神経を調べないといけない。多分大丈夫だと思うけど。だから別に薬もないし普通にしてて大丈夫だからね」と言って窓口で1310円払って会社に戻った。
1310円で不安が吹き飛ぶなんて
日本の医療は最高だ。
アディ症候群はこれとも言える。
20代から40代の女性に多い!と
やーだー(笑
オーバーエイジ。すまねー。
さて、ふと思い出すと以前にも
朝起きたら見えにくいと思ってたことがあった。
その時は先日ほどの見えにくさでもなく、検診のときに「見えにくい時もある」といったら、そもそも緑内障の診断があるし、見え方に敏感な人もいるからねとのことであまり気にしていなかったのだ。
しかし今回のいっけんは、
ぼんやりというより視界が暗い。
視界がぎゅっと狭くなった感じ。
変なの。瞳孔が拓いたら視界も広がるもんだと思ったから。
しかも視力は出ている。
昨日のダンディ医師は
「症状が出てからすぐに来てくれたから良かったよ」と言っていた。
うむ。早めの対応良かった。
これが出先だったらと想うと少し怖い。毎週毎週どこかへ行ってるんだから。今も北海道に向けて旅立ってます。