【エッセイ】日々のこと

私は訳あって、2年前から一人暮らしをしている。
させられてる。があってるのか、正直分からない。父親の意向で私名義のものだけもって、家を追い出された。
2022年10月20日の金曜日、息子を実弟の家の最寄り駅まで送りだした。それっきり声も聞いてない。
あちらにも都合があるのだろう。
私は追い出された本当の理由を未だに知らない。

そんな私は20年ほど前に美大を卒業している。
大学時代に精神疾患になったのもあり、作品と呼べるものは卒業制作の裸婦の石膏像2体、金属の箱1つ、日本画1枚、油絵1枚だけだった。

裸婦の石膏像は卒業後、家族の手によって破壊されてゴミに出された。
もう、作家を目指すことは無いと思っていた。

だがしかし、2024年の1月、予備校時代の先生の個展とゴッホ展にいったことがきっかけで、美術館へ足繁く通うようになった。
更に5月~6月に入院した時には、80枚の作品ができた。今はラフ画、デッサン、塑像、木彫で制作している。
制作をしていて心が安らいだり、興奮したり、忙しくなるものの、作品を作れる喜びを実感している。

一人暮らしをして、失ったものはたしかに大きい。
でも、今のこの生活を手に入れた。
日々、何かを生み出す。その喜びは大きい。

機会があるかわからないが、いつか息子に見て貰えたら。
そんな淡くて儚い気持ちを持ってていいのかな?と思っている。

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