忘却 L'oblivion
忘却 L'oblivion 詞・曲 とりふね
album『ことの次第』 須川善行 とりふね
忘却の
夏の海が
打ち寄せた
見知らぬ人の船
かわいた
砂のような
輪郭を
光がふちどれば
長い手紙のような
吐息
細い夜風のような
歩み
窓越しに
見る景色は
遠すぎて
よそよそしい
時間
これから
はじめるのは
新しい
ルールをもつ遊び
軽く会釈を交わし
まるで
古くからの
友だちのように
過去の結び目を解き
笑う
昔からの
しあわせのように
歌いはじめる
あなたの声は
波長をもたない
それをききとる
わたしの耳は
耳殻をもたない
砕ける波・岩・舟
夢見る鳥・星・空
忘却の
夏の海が
打ち寄せた
見知らぬ人の船
かわいた
砂のような
輪郭を
光がふちどれば