リラクゼーション業の適正化に関する自主基準
リラクゼーション業協会は、以下の二つを協会理念とし、リラクゼーション業界の社会的認知度を高めることを目指す。
一、リラクゼーション業の発展で、社会の活力づくりに貢献します。
一、安心のサービスを提供し、リラクゼーションセラピストの地位向上を目指します。
上記をふまえ、以下、「リラクゼーション業の適正化に関する自主基準」を策定する。
(目的)
第1条
リラクゼーション業協会の定める「リラフゼーション業の適正化に関する自主基準」は協会構成メンバーが中心となって、関連する法令を遵守し、適正な営業を行い、利用者が安心かつ安全に施術サービスを受けられることを目指し、リラクゼーション業全体の健全な育成発展に寄与するために定めたものである。
(定義)
第2条
リラクゼーション業は手技と、高いコミュ二ケーションスキルでの接客による施術サービスで、男女年齢を問わない幅広い利用者の、心と身体の癒しをサポー卜する産業である。また、この基準におけるリラクゼーション(relaxation)とはリラックスすることで、心と身体の「休養」「気晴らし」「緊張の緩和」のことを言い、交感神経の興奮が抑えられ、副交感神経の働きが優位になっている状態のことであり、空間演出や音楽で五感に安らぎを与え、心ををリラックスさせ、身体へは手指などを使って心と身体が緊張から解放される時間を提供することを主目的とする。
(サービスに関する遵守事項)
第3条
国家資格が必要な、あん摩マッサージ指圧に代表される治療行為とは全く異なるサービス価値を提供するものであり、以下の行為を禁止する。
① 瞬間的に強く圧力をかける手技
(厚生労働省の指導による危険行為として禁止する)
② 骨格議主脊柱に対するスラストアジャスト施術
(厚生労働省の指導による危険行為として禁止する)
③ 外傷を残す行為
(医師法17条による外科的手術行為に該当するため禁止する)
④ その他、危険と思われる行為
第4条
以下に挙げる注意を要する施術に対し、事前に注意を促すことができていることとする。
① 足で踏みつける施術
(過剰刺激による後遺症トラブルの可能性があるため)
②肘の先、膝の先を使って行う施術
(過剰刺激によるトラブルの可能性があるため)
③鎖骨下筋、肋間筋、大胸筋を施術
(セクハラトラブルを引き起こす可能性があるため注意を促す)
④腎部を施術
(セクハラトラブルを引き起こす司能性があるため注意を促す)
⑤大腿部内転筋、鼠径部から10cm以内(目安)の部分を施術
(セクハラトラブルを引き起こす可能性があるため注意を促す)
⑥器具を用いて行う施術
(原則的に手技によるハンドテクニックを主体とする)
第5条
利用者の安全確保のため、以下に該当する場合は、原則としてサービス提供をお断りすることを施設内や受付等に掲示することとする。また、受付時など施術前に確認ができていることとする。
①発熱のある方
②多量に飲酒をされている方
③ぎっくり腰、骨折、打撲、捻挫の方
④皮膚の炎症及び感染症と思われる方
(摩擦刺激により症状を悪化させる恐れがあるため)
⑤重度の骨粗鬆症の方
⑥心臓・脳血管障害の既往歴のある方
⑦現在通院中で医師の許可のない方
第6条
利用者の安全確保のため、以下に該当する場合は、サービス提供をする際に注意が必要であることを施設内や受付等に掲示することとする。また、受付時など施術前に確認ができていることとする。
①妊娠中の方(妊娠初期は特に危険として注意を促す)
②術後間もない方
第7条
協会指定の「体調確認シート」または協会が同等と承認したものを導入し、使用を徹底することとする。
(料金に関する遵守事項)
第8条 リラクゼーションサービス提供時間とその価格を明示すること。
第9条 不当な勧誘・販売方法、強引な勧誘・販売方法は一切行わないものとする。
(プリペイドカード発行に関する遵守事項)
第10条
資金決済に関する法律の規制を受けるプリペイド力一ド(前払式証票)を発行する場合、同法に基づく届出や登録、報告、供託金のなどの事頂を遵守し、適切に実施することとする。
(広告表示に関する遵守事項)
第11条
医療法・医師法・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等仁関する法律(あはき法)・柔道整復師法に抵触するおそれのある表示について、以下の事項を遵守すること。宣伝広告、求人広告など、いかなる広告において使用する用語について、次にあげる用語は使用しないものとする。
・「マッサージ」文言(「マッサージする」など動詞も不可)
・医療機関、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の国家資格者ではないとできない施術所と誤認させる表現
・医療機関、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の国家資格者ではないとできない施術所とのかかわりをうたう表現
・医療、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復との比較表現
・医療行為、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の国家資格者ではないとできない行為と誤認させる表現
・医掌的・生理学的にありえないこと
・医療行為、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復の国家資格者ではないとできない行為をもってしても困難と思われること
第12条
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に抵触するおそれのある表示(文言・写真等)について、以下の事項を遵守すること。宣信広告、求人広告などいかなる広告において使用する用語について、次にあげる用語は使用しないものとする。
・疾病、外傷の改善をうたう表現
・過度に施術の安全をうたう表現
・過度に効果の確約・保証をうたう表現
・過度に効果の即時性をうたう表現
・効果に関わる体験談を弓|用した過度な表現
・効果に関わる具体的数値をうたう表現
・不快感や周知嫌悪の情を起こさせるおそれがある表現
・優良誤認にあたる表現
・誇大表記・最大級表記
・他者を誹謗中傷する表現
・不当な二重価格および有利誤認にあたる表現
(施設、設備に関する遵守事項)
第13条
消防法等それぞれの事業の営業形態に関連する法令に定められている各種条頂を遵守し、健全なリラクゼーション施設にふさわしい環境を整えるものとする。
(衛生に関する遵守事項)
第14条
公衆衛生に関わる観点から、利用者の健康の保持と増進を図るために、自らのみだしなみ、健康管理等を徹底し、施設、設備、器具、備品等の清掃、洗浄、洗濯、消毒、廃棄物処理等を常に行い、衛生管理を徹底し、清潔に保つことにより衛生の確保及び向上を図るものとする。
(教育に関する事業者の遵守事項)
第15条
事業者は、リラクゼーション従事者に対し、業務に関連する法令の知識を理解させ、技術、知識等の向上に関する十分な教育を行うものとする。また、リラクゼーション従事者も、業務に関連する法令を理解し、技術、知識等の向上に努めるものとする。
第16条
リラクゼーション従事者は、当協会が認定するリラクゼーションセラピスト2級及び1級の資格の取得を推奨することとする。
(サービス従事者使用に関する遵守事項)
第17条
サービス従事者を使用するにあたり、出入国管理及び難民認定法(入管法)、労働契約法、労働基準法等の関係諸法令を遵守し、適切な人員、健全な心身を有した者を従事させることとする。
(問い合わせ及び苦情の対応)
第18条
利用者との聞にトラブルが発生した場合、迅速なトラブル解決を行うために協会が指定する施設賠償責任保険への加入を義務付ける。
第19条
事業者は、利用者からの問い合わせ及び苦情に誠実に対応しなければならない。
利用者から勧誘及び契約の締結に関し苦情の申立てがあったときは、速やかにその内容を調査し、必要があると認めるときは、当該苦情を解決するために必要な措置を講じなければならない。
利用者から身体被害の苦情の申立てがあったときは、適宜、保険会社に相談の上、速やかに医療機関への連動を行わなければならない。
(個人情報の取り扱いに関する遵守事項)
第20条
事業者が個人情報を取り扱うにあたり、個人情報保護法その他関係法令等を遵守することとする。
(その他関連諸法規の遵守について)
第21条
前条までに定めるもののほか、リラクゼーション業に関する以下の諸法規について、特に遵守することとする。
① 保険医療関係法令(あはき法、医師法、柔道整復師法)
② 一般民事関係法令(労働墓準法、労働契約法)
③ 社会経済関係法令(消費者契約法、景品表示法、個人情報保護法)
④ 入管法
(自主基準の遵守等)
第22条
協会は、自主基準の周知徹底を図ることに努めることとし、協会構成メンバーは本基準の遵守に努めるとともに、その実効性を確保するための方策の検討とその実現に努める。
利用者等からの自主基準の運用の実体等に関し問題提起があった場合には、コンプライアンス委員会を開催し、検討することとする。
(自主基準の体系)
第23条
本基準を運用し、実行に移すために「リラクゼーション業の適正化に関する自主基準細則jを制定し、具体的な行動指針及び役割責任を定める。
(自主基準の改廃)
第24条
本基準の改訂及び廃止については、協会の理事会にて起案し、決議するものとする。
附則制定:2012年12月15日 施行:2013年4月1日