小顔整体、と看板に書くと違法?
ややくどいかな、とも思ったのですが、
第I章 リラクゼーション概論
I-1 リラクゼーション業の適正化に関する自主基準
のセクションから、もう一回だけ。
自主基準に関する設問は2級でも出るのですが、基本的には、以下第3条から第6条の「サービスに関する遵守事項」のみです。
・禁止されている施術(第3条)
・注意を要する施術(第4条)
・施術してはいけないお客様(第5条)
・施術に注意が必要なお客様(第6条)
しかし1級ではその他の規定についてもまんべんなくでる模様。いくつか、気になったものを上げてみます。
料金に関する遵守事項
![](https://assets.st-note.com/img/1693460928646-JN7EBARNgi.png?width=1200)
料金に関する遵守事項ではないものはどれか
1. 提供時間とその価格を明示する
2. 不当な勧誘・販売方法を行わない
3. 強引な勧誘・勧誘方法を行わない
4. プリペイドカードの発行は資金決済に関する法律を順守する
![](https://assets.st-note.com/img/1693460928158-1N5kNbXLqr.png?width=1200)
旧テキスト&問題集では「料金に関するトラブルは少ない」と書かれていたように記憶しています。
料金とサービス内容については、ほとんどのお店で「明朗会計」が浸透しているからでしょう。
が、特別な割引の適用とか、指名料などのオプション料金については、支払いの段階になって、思っていた金額とちがう、というようなことは現場ではままあるように思います。
違うといっても、せいぜい数百円の違いなので、ほとんどのお客様はそのままお支払いくださっているようですが、だからといって、トラブルが少ない、ということにはなりません。
予約や受付の時に、あらかじめ料金総額を提示するのは大事なことだと思います。
つらつら書きましたが、ともあれ間違っているのは選択肢の4。
書かれている内容自体は正しいのですが、プリペイドカードは、「料金に関する遵守事項」ではなく、「プリペイドカード発行に関する遵守事項」として第10条に書かれています。
ちなみに、「料金に関する遵守事項」は第8条、第9条で、以下のとおりです。
(料金に関する遵守事項)
第8条 リラクゼーションサービス提供時間とその価格を明示すること。
第9条 不当な勧誘・販売方法、強引な勧誘・販売方法は一切行わないものとする。
セラピストの使用者責任
![](https://assets.st-note.com/img/1693460928158-mpLtUmWbzA.png?width=1200)
サービス従事者を使用するにあたって遵守すべき法令として、誤っているものはどれか
1.景品表示法
2.出入国管理及び難民認定法
3.労働契約法
4.労働基準法
![](https://assets.st-note.com/img/1693460928294-G24EjNXoqy.png?width=1200)
1級の試験では、セラピストだけではなく、使用者側の知識も求められているのが特徴的だと思います。セラピストを教育しないといけない、とか2級、1級をとるように勧めないといけない、とかも書いてあります。
さて、選択肢2の出入国管理及び難民認定法は、いわゆる「入管法」。
外国人の安価な労働力は、農林水産業、製造業だけでなく、医療、コンビニなどあらゆる産業に浸透しつつあります。ボディケア産業もその例外ではありません。不法入国者を安易に雇うようなことはしてはいけないし、逆に、外国人を不当に搾取するような労働に従事させてもいけませんよね。
つぎに選択肢3,4は労働契約に関する法律です。
セラピストさんは個人事業主として会社と業務委託契約を結んでいるケースが多いと思いますが、その場合は、個人事業主は「労働者」ではないので、労働契約法も労働基準法も適用外です。
しかし、問題文には「サービス従事者を使用する」とあるので、これは会社がセラピストを雇っている=つまり雇用契約を結んでいるケース。
正社員でもアルバイトでも、雇用契約で働いているセラピストさんは「労働者」ですので、選択肢3、4は適用されます。
ということで、関係ないのは選択肢1の景品表示法でした。
ま、これくらいなら四の五の言わなくても、雰囲気でわかりますけどね。
なお、個人事業主との業務委託契約は、とくに肉体労働を伴うセラピストのような職業では、「労基法逃れ」の疑いがあるのではないか?と個人的には思っています。詳しくはこちらに書いたので、時間があれば読んでみてください。(参考:セラピストの報酬は人件費?)
景品表示法は、景表法と略されることもありますが、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。
不当な表示や過大な景品類を規制し、公正な競争を確保することにより消費者が適正に商品・サービスを選択できる環境を守ることを目的として制定された法律です。
そういえば先日、コロナ対策グッズの「空間除菌スプレー」や「胸からぶら下げる除菌カード」などが、効果がないとして消費者庁から景表法違反を指摘されていましたね。(2021/3/11 次亜塩素酸水の販売事業者3社に対する景品表示法に基づく措置命令について)
ウソはもちろん、根拠薄弱な効果をうたうのもダメ、ということです。
広告に使ってはいけない表現
![](https://assets.st-note.com/img/1693460928192-ArEofe6as3.png?width=1200)
広告に使用しないことを定めた規定として誤っているものはどれか
1.過度に効果の確約・保証をうたう表現
2.疾病・外傷の改善をうたう表現
3.効果に関わる具体的数値をうたう表現
4.心身のリラックスの提供をうたう表現
![](https://assets.st-note.com/img/1693460928438-RoVnQII7pb.png?width=1200)
広告表示に関する遵守事項は第11条と第12条に記されていて、テキスト1ページにびっしり、というくらいの分量があります。
ここもこのセクションの目玉、といっていいと思います。
だいたいは常識的に答えられるような内容ですが、暗記はしないまでも、何回かは読んで雰囲気はつかんでおいたほうがいいと思います。
正解は4です。
で、タイトルの「小顔整体と看板に書くと違法か?」という話です。
小顔矯正や小顔整体という単語はネットでもバンバン出ているので何の問題もなさそうに見えますよね。
でも、先日、本を読んでいたら、2016年に全国の小顔サービス9業者に対して、景表法に基づく措置命令がでたそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1693466135146-FfUynOioSn.jpg)
手技で頭蓋骨の歪みが矯正できるとする説明に根拠がない、というのがその理由です。小顔矯正や小顔整体という言葉を使うのは問題ないが、根拠が薄弱な説明は誇大広告で違法、ということですね。
この本は美容に関する誤った常識を指摘する内容で、フェイシャルには参考になるネタも多く、面白いのでおすすめです。
自主基準に書いてあることはなんかあたりまえのことばかりだし、正直、退屈です。
でも、この仕事に向き合う心構えを整える、という意味では何度でも読み返す値打ちはあると思います。
ということで、これで最後にします。
こちらに全文を引用しておいたので、試験までに何回かは目を通しておくことを読んでおくことをお薦めします。
■参考資料
[作成 2019.12.27]
[修正 2023.08.30]
■アロマウェブのデジタル問題集&参考書
実際に出題された問題は「重要問題」として収録しました。
リラクゼーションセラピスト1級 デジタル問題集
![](https://assets.st-note.com/img/1693466694611-uPeDZPAqka.jpg?width=1200)
リラクゼーションセラピスト2級 デジタル問題集
![](https://assets.st-note.com/img/1693466694647-zCe1bBiuf2.jpg?width=1200)
ぐるぐる回る!筋肉動画図鑑
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