あめのもりさん

30代半ばで、これからずっと飄々と生きていたいなと思っている演劇人。 お酒、コーヒー、猫で栄養摂取して生きている。 撮り溜めた写真や思った話をつらつらと書いて行きたい。

あめのもりさん

30代半ばで、これからずっと飄々と生きていたいなと思っている演劇人。 お酒、コーヒー、猫で栄養摂取して生きている。 撮り溜めた写真や思った話をつらつらと書いて行きたい。

最近の記事

三文芝居、独白、エピローグ

いつも通りの夜に溶け込むように 肩を丸めてそぞろ歩く 並んだふたつのはずの影なのに ひとつしか見当たらなくて あれ、おかしいな 三文芝居に思わず吹き出す 気付かぬうちに消えてなくなってしまった それを見て見ぬフリをする自分がいて 悲しくなるじゃない 泣きたくなるじゃない それだけでみじめになると言うのに 泣いたらもっとみじめじゃないか 君の言葉は踏み切り越しの 最終電車に飛び乗って行ったね 昨日と影、それから僕 夜の沈殿物、踊るように混ざりこむ よどみ、沈み、舞

    • 余韻、黄昏、黄梅の味

      黄梅をひと口齧る 白い歯を突き立てる その薄い肌から果肉が弾ける 黄昏色の台所、縁側、衣擦れに憂う日 風は頬を撫で、風鈴を揺らす 残す音が耳につき、あなたの声に似て ガラスのコップ、飲みかけの あなたの名残、酔いざめの水 鳴り止まぬ蝉時雨 私も泣いて叫んでしまいたくなる 鳴り止んだ黒電話 うつむいて、押し黙ったまま 肌に焼けつく、陽の名残り 衣擦れの袖、躊躇いの傷 黄梅、裏側をもうひと口齧る 一筋の傷が走る あなたも同じなのね、私も同じ傷 台所、鍋の中、茹だる黄梅

      • 悲しいとか、やるせないとか。 やり場のない気持ちや感情。 それを上手いこと文字に出来たら 言葉に昇華できたら それはそれで、何かを生み出せるのなら、辛くて仕方なかったとしても。 心の傷とか重荷が無くなるならそれでもいいのかもしれない。

        • 私的、感情論。

          悲しみを言葉に乗せても 言葉達は掬いあげた掌から 指の間から砂のように さらさらと逃げてしまう それは逃がしているのかもしれない 悲しみを言葉に乗せたとしても 僅かな悲しみは残しておきたくて 残しておかなければ 心はただの容器にしかならなくて 言葉、気持ち、感情 好き、嫌い、愛している 少しでも、ほんの少しでいいの 縋りたくはないけれど 袖口を指先でそっと掴むくらいには 心の容器に残しておきたくて わがままなのか、本能なのか もしかしたら 満たされない欲望かもしれなく

          6月、雨、紫陽花。

          私の紫陽花が泣いています 真っ赤な傘の下で あなたの思い出からは消えてしまっても それでも私は咲いています 真っ赤な傘の下で 青くて小さな花を咲かせています 通りすがる人に あなたの姿を重ねながら 私の紫陽花が泣いています 並ぶ街路樹の片隅で微睡みながら あの恋の痛みを優しく飼い慣らして この青葉を天に広げながら 降りやまぬ6月の雨に何度も何度も濡れて 私の紫陽花が泣いています 真っ赤な傘の下で 青い小さな花を咲かせています あなたに気づいて欲しくて またあなたに見

          6月、雨、紫陽花。

          朽ち、果てる、美しさ。

          太陽、風、雨。 光や水、それらが混ざり、合わさる。 天気、天候と名を変えて空から落ちる。 その全てが立ち尽くし、役目を終えた物の存在や価値、尊厳を時間という流れに沿って奪い去る。 遺されたのは何か。 いくつかの残骸、破片、記憶。 しかし、それらでさえも、連綿、脈々と流れ続ける川の水の一滴になる。 水は流れ、小川は大河になり、やがては忘却の大海へと注ぎ込んでゆく。 この何かの建築物だったであろうものも、今では植物達の住処になり、彼らを生かすために、また自らも流れに沿

          朽ち、果てる、美しさ。

          波、流木、海。

          ただそこに広がる海を漂い、流れ、流される。 私はその終着点、砂浜と波打ち際をコンクリートの防波堤に座り、時間を忘れるようにじっと眺めていた。 海の色は綺麗に深く垂れこめ、風に吹かれて形を変える雲の鼠色を飲み込んでいる。 波は、私の視界の中では同じ形を一度も見せることなく、貝殻や砂を運び、再び私の知り得ぬ水底へと戻って行く。 私もこの波に引きずり込まれ、ゆっくりと身を委ね、底にたどり着きたい。 そんな欲望が目の前の波のように寄せては返す事を繰り返している。 私の上半

          波、流木、海。

          知らない街。

          知らない街に自分がいる、不思議。 街を歩く、ではない、彷徨う。 目的も着地点もそこには存在しない。 ただ、ひたすらに彷徨い、迷う。 曲がり角、路地、ガードレール、カーブミラー。 見慣れているはずなのに、全てが新しい。 胸を打つ鼓動が微かに速い。 足跡を残さないように、音さえ消して。 反比例する胸の鼓動を押し殺したい衝動。 でも、引き寄せられるように路地に飛び込んでしまう。 道の先には塗装が錆び付いたカーブミラーが立ちすくんで、曲がり角の先を見つめている。 その

          前から行こうと思っていたお店に。 席に座るなり「さる肉の唐揚げ(完売)」の壁メニュー。 山賊焼(追いにんにくパウダー、マシマシ)定食を食べながら目はくぎ付け。 気になりすぎて、お会計の時に本当にサルの肉なのか聞いてしまった…

          前から行こうと思っていたお店に。 席に座るなり「さる肉の唐揚げ(完売)」の壁メニュー。 山賊焼(追いにんにくパウダー、マシマシ)定食を食べながら目はくぎ付け。 気になりすぎて、お会計の時に本当にサルの肉なのか聞いてしまった…

          パンツ一丁放浪記 #2.5

          自分自身に哲学的な問いを突きつけられたり。 こちらに来て2週間。物理的には夜はパンツ一丁は風邪をひく、こじらせるくらいには冷える夜。 ちょいちょいアクションは起こしつつも、頭の中は色んな気持ちがグルグルと洗濯機のように規則正しく、でも変則的な渦を描いている。 これから、自分はどう生きるべきか どの道を歩けば、自分の思うような道に進むのかこんなことばかりが浮かんでは消えの繰り返しの日々。 それでも時間は流れていくわけだから、流されながら日々が過ぎていく。 でも、これは

          パンツ一丁放浪記 #2.5

          今日は雲一つない快晴。 青空と、グッと天に突き上げそうな山々が映えている。 気持ちもいいから、色々やるにはちょうど良い日だなぁ モスグリーンのイヤホンのケーブルに小さなハチが間違えて止まるくらいには良い日(笑)

          今日は雲一つない快晴。 青空と、グッと天に突き上げそうな山々が映えている。 気持ちもいいから、色々やるにはちょうど良い日だなぁ モスグリーンのイヤホンのケーブルに小さなハチが間違えて止まるくらいには良い日(笑)

          見上げれば、斜陽と燈、背比べ

          見上げれば、斜陽と燈、背比べ

          今日は朝から大雨で何をしようかと思っていたが、1日細々した用を頼まれたりで、スキを見て自分用の常備菜を仕込んだり。 そんな金曜日。

          今日は朝から大雨で何をしようかと思っていたが、1日細々した用を頼まれたりで、スキを見て自分用の常備菜を仕込んだり。 そんな金曜日。

          パンツ一丁放浪記 #2 奈良井宿放浪編

          奈良井宿をまずは観光客としてブラブラしてみる 今日はコミュニティバスに揺られて、中山道34番目(※)、木曽11宿の中でも最も標高が高い、奈良井宿へ行って来た。 ※中山道は正確には69の宿場があるのだが、東海道と交わる、草津宿と大津宿を抜いた、67の宿場(板橋宿~守山宿)の、どちらからカウントしても真ん中に当たる為、34番目となっている。 もちろん、木曽路の中でも標高が1番高いので、この後には難所、鳥居峠が控えており、最盛期には「奈良井千件」と呼ばれ、千件の家や宿屋などが

          パンツ一丁放浪記 #2 奈良井宿放浪編

          鍵の手、木戸の向こうの小さなノスタルジア

          鍵の手、木戸の向こうの小さなノスタルジア

          パンツ一丁放浪記 #1

          今回からやっと長野編に突入。 昨日の0.5回目は移動の話しかしていないので、今回から本格的?にちゃんとした日記になる…はず。 昨日の午後に到着し、あれよあれよとその日の晩に食卓を囲み(今いるのはシェアハウス)、ボーッと居心地の良さを感じながらも、人生初のシェアハウスと言うものにちょっとした戸惑いを感じながらも、心地良さの方が勝って、ジワリジワリとカレーのルーが溶けるように、馴染んできている気がする。 聞いた話によると自分以外にも、あと数人、同居人となる人が増えるらしく、

          パンツ一丁放浪記 #1