脚本家という仕事
今年の1月にフリーランスとして独立しました。しばらくお世話になっていたシナリオ会社の上司が作ってくださった名刺には「脚本家」と肩書を入れていただいていて、嬉しくて仕方がなかった。
日本語というのは面白い。「シナリオライター」「ライター」「脚本家」いずれも似て非なる言葉だ。私個人の好みでいうと前者2つはあまり好きではない。なんだかチャラついて聞こえるからだ。(とはいえ名乗っている人のことをそう思っているわけではない)
「脚本家」はとてもしっくり来て、当時はまだゲームシナリオなどの「シナリオ」主体だったけれど、今後は「脚本」を書いていこうと決めたきっかけにもなった。幸い、今年はシナリオよりも脚本を多く手掛ける年になりそうだ。
印象に残っている仕事でのエピソード
長らくゲーム業界にいたので声優さんによって自分のシナリオを読んでもらう場を度々経験させていただいた。とある朗読劇で楽屋に挨拶に伺った際に「脚本を担当いたしました」と自己紹介をすると、全員が椅子から立ち上がって頭を下げてくださった。恐縮したし、頭を下げてもらえるような人間でもない…が、しっかり心を込めて書いた脚本だったのですごく励まされる出来事だった。その後、「このあたりは少しニュアンスを変えていいですか」「これはこういう意図でのセリフで合っていますか」と聞いてくださる演者さんたちにこちらこそ御礼を言いたいくらいだった。声優さん、役者さん、これまで出会ったどの人も皆、脚本に対して真摯に向き合ってくださる。当たり前といえば当たり前なのだが、やはりそれがとても嬉しい。セリフというていとはいえ、文字でしかないその言葉たちに声や演技を吹き込んでくださるのが彼ら彼女らの仕事だ。実際に自分が書いた言葉たちが発せられてお客さんの耳に届き、笑いが起こったり、シナリオとして配信されて楽しんでもらえることは何にも代えがたい僥倖である。
あと印象に残っていることといえば、方言指導をさせていただいたこと。その声優さんは東京の方だったのだが、演じる役は京言葉、いわば花魁言葉。私は西の人間であり、花魁言葉は趣味で会得している。アフレコの現場でディレクターさんのマイクを通して私が先にセリフを読み、それにならう形で読んでもらった。収録後、「とてもわかりやすかったです!」と笑顔で言ってもらえて心からほっとした。その後も何度か方言指導の機会に恵まれた。今後もしていきたいと思い名刺にこっそり「方言指導」と書いてある。
働き方について考えていることやその変化
コロナ禍では会議はすべてオンラインになった。その際に心がけていたのは笑顔で、明るく伝えることだった。Web会議はどうしても対面のそれよりも全体的にテンションが下がる。伝えたいことの何割かは伝わりづらい。なので明るく声量をやや上げて参加することを心がけた。
独立してからは完全に在宅ワークになった。とはいえきちんと朝に起きて昼休みをとって…というテレワークと同じサイクルになるよう努めるようにしている。たまに昼寝はしてしまうけど…。企業さんからの受注が減った後は個人の裁量に任される仕事が多く、それについても自力で〆切をきちんと設定して日々のタスクをこなすようになった。
また、あまり公にはしていないが、毎日引きこもって孤独に仕事をしていて寂しかったので週1回だけ某所でバーテンをしている。これはすごく楽しく、脚本や小説に活かせる経験になっている。創作する際の人物造形に深みが出るようになった。お酒も作れるようになって嬉しい。たまに「作家業一本でできないからこんな仕事やってんでしょ」などと失礼なことを言ってくる人もいるが、浅い頭でそうとしか考えられないのならそう思ってもらっていい、と思うことにした。そしていずれミステリを書く際には被害者一覧のうち一人になってもらおうと思う。
今年の仕事のふりかえり
脚本業、作家業、色々とやった。
エイプリルフールは最後の打ち上げ花火的な感じでとても楽しく書かせていただいた。好評だったようで嬉しい。
その後、写真展期間中開催されるイベントの一環として朗読劇の脚本を書き下ろした。この時にも役者さんによる生の芝居に触れ、本当に嬉しかった。
合間にちまちまと作詞業をこなしたが、まだ世には出ない模様。
しばらくメインで活動していたゲームシナリオ関連から離れる一年になりそうだ。
あとはまだ告知できませんが、朗読劇をひとつ予定している。(IP物ではなく、オリジナル作品)
今後の抱負
小説で賞をとりたい!!
というのもあるし、今年に引き続き活動の幅を広げていきたい。
あとは、やはりどうしても演劇の脚本を書いてみたい。
本当は劇団を主宰し旗揚げしてみたい。
方言指導の仕事もまたやりたい。
漫画原作の仕事(ひとつ予定があったが白紙になり、無念)もやりたい。
作詞業も引き続き頑張りたい。世に出るものを担当したい。
ドラマや映画などにも挑戦したい。
そして「ありねこちゃん」の活動もしていきたい。
というわけで、「私の仕事」について書き終えます。
がんばります!
ありねこちゃん(フォローお願いします!)
https://www.instagram.com/arinekochan/
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