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またね【ショートストーリー】

 たくさん泣いて、たくさん笑った。きみとなら、いつまでもどこまでも行けるような気がした。

 この広い世界の中で、たったひとりのきみと出会った。反発し合いながらも、惹かれ合っていった。

 一服の清涼剤のように冷たい風が吹く。何年先でもきっときみだけを思い出す。

 暗い森の中で空を見上げて、きみがくれた最後のビスケットを口にした。

どれだけ噛み砕いても、わかり合うことなどないと教えてくれた。それが酷く悲しかった。

 かけがえのない人が生きているこの街で、星を指で辿るように言葉を繋ぐ。新しい星座が生まれても、季節が変わっても、それを目印にして歩けばいい。

 ぼくらはいつかこの星の下で、また会える。そんな気がする。


 文披31題Day31「またね」

企画が始まったのが7月1日でしたから、二か月以上かかって、ようやく完走しました。
(Xでは先に完走)
朧様の企画、こちらに参加させていただきました。

3年目の文披31題。
どの作品も、その時感じた思いを込めて書きました。

何処にも属せず、文学を学んだこともなく、人生で唯一取った賞は高校生の時、校内で行われた小論文コンクールの佳作だけ。

こんな野良の物書きが書いた作品に、今年もたくさんの暖かいお言葉をいただきました。
ありがとうございます。
わたしは書いているものに感情移入しがちで、泣き笑いしながら書いていました。
好きな作品、全部です!

もしもあなたの心に届いた言葉や物語があれば、嬉しいです。
そして、こっそり教えていただけたら、宝物にします。

これからも、いただいたお言葉を励みに頑張ります。

今後とも、あめにぬれてもこと
風花をよろしくお願いします。


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