うたうたい①短詩まとめ
書いたものを少しずつまとめていこうと思います。過去作も手元に残ってるものだけにはなりますが、冥土の土産にするためにもできる限りまとめたいです。
9月はショートストーリーを書いていたので詩はあまり書けませんでした。
今回掲載したものは、2024年9月の作品です。5作品中、4つは深夜の二時間作詩からお題をいただきました。
「帰りたい場所」
言葉が迷う
言葉が探す
苦しい恋が眠る街
さよならさえも
言えない速度ですれ違い
癒えない恋を抱きしめたまま
泡になる
「静寂」
あの海でひとり思い出を燃やした
足早に秋を連れてくる嘆きの雨が
密かに心燃やしても
胸に残る熱は消えない
火照る躰濡れていく
「優しい人」
いつも自分の話ばかりだったね
もうわたしには
あなたを励ます言葉が
何一つ残っていないの
元気でね
あの日二人で見た月は
泣いたまま9月の海に解けていく
もう少し手を伸ばせば
触れられたのだろうか
言葉はいつだって遅すぎて
知りたいと思ってしまった
あなたが抱える寂しさを
「夢」
背伸びしても届かない
手に入らないから美しい
二人で眠るしあわせも
きみのなまえも
いつもお読みいただきありがとうございます。
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