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映画『王様と私』の魅力、4選!

ごきげんよう、雨宮はなです。
大好きなミュージカル映画のひとつに『王様と私』があります。

親友の誕生日にBlu-rayを贈ったほどオススメな作品。なぜそこまでオススメするのか、大好きな理由をまとめました。

魅力的な登場人物たち

古い時代でお国柄としても差別があることがむしろ当たり前な状態にもかかわらず、魅力的な登場人物たちによって物語は成り立っています。
誰一人として悪者、嫌な奴がいません。全員が自分の立場を理解しつつ、できる精一杯のことをして、他人を思いやりながら努力を重ねることができる人々です。感情豊かではあるけれど、感情的ではありません。

特に好きなのは、デボラ・カー演じる主人公のアンナです。
彼女は未亡人でありながら悲しみに暮れることなく、きっちりと子育てを仕事を全うする強さを持つ女性です。彼女の強さはしなやかで、誠実。間違った知識と偏った価値観に凝り固まったシャム王国の王族たちを否定することなく、必要な教育を施します。
だからといっていつまでも優しくのんびり構えるのではなく、必要な自己主張はきっちりします。自分の気持ちに素直でいることを忘れはしません。彼女の誠実さは自分に誠実であることから成り立っているのだとわかります。

自分の価値観や知識といった今までの”常識”が変わってしまうことにとまどいながらも少しずつ受け入れる国王。
新しい時代と国のために前向きに頑張る第一王子。
国王を受け入れ、控えめでありながら豊かな愛情を示す第一王妃。
一クラス分の子供たち。
虐げられつつも愛を諦めなかったタプティム。

心から応援することのできる、素晴らしい人物ばかりです。

良質な音楽

名曲「Shall we dance?」は勿論ですが、私のお気に入り・オススメ曲は「Getting to know you」です。

王族たちへの授業中に「あなたを知ることでどんどん好きになれるわ」「お互いを知ることは素晴らしいこと」と歌い踊ります。
アンナが”自分は教育を施すだけではなく、自分も常に学ぶ姿勢を持っているのだ”と周囲に示す大切なシーンです。
新しい挨拶を笑顔でやってみせるシャム王族の人々、アンナとの交流の様子や、子供たちの歌声も相まってほっこりとした幸せな気持ちになれます。

他のシーンのBGM、歌唱ナンバーも良曲ばかりです。

豪華な衣装と舞台セット

この作品はほとんどが宮殿の中で物語が進みます。ただでさえ煌びやかなセットに、王族の衣装に加え、パーティーシーンもあるので目が退屈になる暇がありません。シャムの伝統衣装、アンナのドレス、パーティードレスとラインナップも豊かです。

個人としては、やはりアンナのドレスに注目してしまいます。家庭教師という立場ですから色合いも落ち着いたもので、肌見せが無く、飾りもほとんどないシンプルなものばかりです。ですが、それでも十分美しいのはデボラ・カーの美しさあってこそでしょう。

また、舞台セットもほぼ宮殿の中だからといってずっとキンキラしているわけではありません。夜の庭で植物に囲まれながら恋人たちが隠れて愛をささやきあうシーンでは、月あかりをイメージした照明のなかで暗くもあたたかい演出がなされています。
このコントラストが素晴らしいです。

失われかけた貴重な伝統文化を取り入れた劇中劇

詳しくは知りませんが、タイ舞踊は歴史の中で一度途絶えたことがあるそうです。そんなタイ舞踊の演出を用いて劇中劇が行われるシーンがあります。知らない間に貴重な伝統文化を知る機会を得ていたことに驚きました。

映画版ではありませんが、どこかの舞台版が共有されていたので、こちらで紹介します。独特な衣装、舞台メイク、音楽に台詞回し。動き方も特徴的で、とくに指先、手首、首の動きに目が行きます。
アンサンブルの面々が語り部の補助のような役割(台詞を繰り返して強調したり)をしたり、舞台装置の代わりに川になったり、雪になったりと演出を眺めているだけでも楽しい作品です。

題材は「アンクルトムの小屋」なので、あらすじを知っていれば英語がわからずとも楽しむことができるでしょう。

おわりに

文章で魅力を伝えるにはなかなか難しく、また語りつくせない魅力がある作品ですが少しでも素敵な作品であることが伝わり、興味をもっていただけたら幸いです。
この記事を切っ掛けに鑑賞してもらえたり、この作品を好きな人からの「好きなシーン」や「お気に入り作品の理由」が聞けたらいいなと思います。

今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。

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