【映画本】いとしのおじいちゃん映画
ごきげんよう。雨宮はなです。
先週、アカデミー賞の発表がありました。全体への個人的感想は「最近の受賞条件には政治色が強くみられるなぁ」というものでした。それはさておき、主演男優賞受賞されたアンソニー・ホプキンス氏、おめでとうございます!!これは理由を気にせず嬉しい。ネットニュースで知ったとき、思わずテンションが上がってしまいました!
なぜって、最近読んだ本の影響です。サクサク読めて、ずっとわくわくしていられる…内容盛りだくさんなのにあっという間に読み終えてしまう。とてもオススメな一冊です。
それが「いとしのおじいちゃん映画」です。
知って、
この本はTwitterで知りました。表紙と紹介文を読んで、「へえ、おもしろそう」とブックマークしておいたのです。それから数カ月が過ぎ、本屋の数ある書籍の中から何か感じ取ったのか、たまたま目線を向けた先にこの本がありました。あの本だ、と気づいた私はすぐさま棚から引っこ抜いて腕の中におさめました。他の本にはわき目も振らずレジへ直行。店での滞在時間はおよそ3分程度でした。
Amazonで購入できることも知っていましたが、Amazonの欲しいものリストにある商品ってなんとなく後回しにしてしまいがちなのです。それに、なんとなく「まあまあ」だったり、「レンタルでも良かったな」と思ってしまうことが多いのです。一方、書棚で見つけた「これは買うべきだ」と直感した本はなぜだかハズレが無い。ということで、購入を先に延ばす理由が無かったのでした。自分の中では。
購入した時期、ちょうど私は職場が変わったとこでした。慣れない環境でのストレス緩和剤になるものを持ちこもうと思い、何を持っていくかを考えていた私にまさにぴったりの本でした。初日から私はお弁当とこの本を鞄に入れ、昼休みには食事を済ませると本を読む…という数日間を送りました。12人のおじいちゃんたちを毎日2人ずつ紹介され、6日間もほっこり楽しむことができたのです。
読んで、
有名な女優さんひとりのフォトブックは出版されているのをちらほら見かけます。その女優さんをいい感じに紹介して、出演作品や経歴を載せて、本人のことばをおしゃれに展開して…あとはできる限り写真をかき集めて掲載する。みょうに表紙がおしゃれな印象があります。
それから、たまーに「往年のスター」を集めた書籍なんかも見かけます。でも、どれもたいていはよく目にする写真と簡単な人物紹介と、当時のポスター画像が少し多めに掲載される程度。
でも、この本はどうでしょう。途中、扉絵として該当する俳優さん(以下、おじいちゃん)の似顔絵が載っているだけであとはたっぷりの文章!帯に印刷された「癒しのエッセイ集」の文句に違わず、おじいちゃん達についてこれでもか!いやまだだ!という勢いを感じつつも、なぜか和んでしまう不思議なエッセイが続いています。
この本はサイズも紙質もイラストも内容も、もちろんどれも素敵なのですが、特に素敵だと感じたのは文章でした。文字表現がとても面白いのです。丁寧で品が良く、気取っていなくて、楽しい。そして、正しくてきれいな日本語なのです。
最近のとにかく大声で、印象に残すことだけを意識したような間違ったり汚かったりすることばを「どうだ、おもしろいだろう」と押し付けてくるような表現のなされた動画や文章にげんなりしてしまう私の目には、とても優しくありがたいものでした。その文章で展開されるおじいちゃん紹介、映画作品紹介、作品内のおじいちゃん(キャラ)紹介…。
わくわく、ほうほう、ほっこり…わくわく、ほうほう、ほっこり…。脳みそと心をマッサージされているような癒しが私を待っていました。
楽しんで。
この本を読んですぐ、Twitterに『ザ・ロック』の紹介が流れてきました。そうです、今回の「午前10時の映画祭」における上映作品であり、この書籍の「ショーン・コネリー」氏の章で紹介されている作品なのです!同時上映の『アンタッチャブル」も!!
『ザ・ロック』への扉に「ベテランハゲ&若造ハゲVS怒りのハゲ」なんて書かれたら、気にならないはずがないでしょう、観ないわけにはいかないでしょう。映画館に向かう電車のなかでもう一度読んで、きちんと準備していざスクリーンへ!…同じ感じで2週間後の『アンタッチャブル』も観よう、と心に決め映画館を後にしたのでした。
本を読み、映画を観終えて…この本のすごいところは書籍として面白いだけでなく、映画作品や俳優との出会いに繋がることを超え、「著者の視点で映画を楽しんでみよう」と思える点にあると思いました。私の思う、一番のこの本の楽しみ方です。
本を読む!
おじいちゃんにほっこりする!!
著者の視点で映画を楽しむ!!!
紹介されるだけでなく、うっかり導入まで済まされるおもしろ怖ろしい一冊です!!(ものすごく褒めてる)
著者の方は同人誌を発行されることもあるそうなので、そのタイミングを逃さないようにぜひ他の文章も読ませていただきたいなと思える、素敵な書籍との出会いでした。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。