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満月の日にしたい十の事

 「月が綺麗ですね」
漱石も眺めた月が満ちる日は、不思議な力が働く。その力にあやかって生活をほんの少し見直してみよう。具体的な十の行動をまとめるので参考にしてほしい。

《1個》
部屋を見渡して要らない物を一個捨てよう。満月の日は判断する力が高まる。

《20分》
スマートフォンを見る時間をいつもより二十分減らしてみよう。満月の夜はいつもより明るいので、ブルーライトが目に与える刺激が多くなる。

《3人》
友人、同僚、家族、店員、隣り合わせた人……誰でもいいので最低三人に「ありがとう」と言おう。心の扉が大きく開く日なので感謝を伝えるにはうってつけだ。

《4ページ》
うず高くそびえる積読本を四ページだけ読んでみよう。満月と好奇心は密接な繋がりがある。四ページから新しい世界がひらけるかもしれない。

《5円》
コンビニの募金箱に五円玉を入れてみよう。たかが五円、されど五円。月へのお賽銭のつもりで。

ーー
ここまでは大丈夫だろうか。さあ、満月の日に行う事はもう少し続く。
ーー

《6ヶ月》
半年先の目標を再確認してみよう。これも判断する力と関係がある。

《700メートル》
駅の普段とは違う出口を使ったり、一つ遠いスーパーを選んだりしていつもより七百メートル多く歩いてみよう。月の引力が最大になるので身体が軽く感じられるはずだ。

《8杯》
コップ八杯分の水を飲もう。これも月の引力と体内の水分とに関係がある。詳しくはモーント・ルゥ著「月と生物に関する学術的見解」を参照してほしい。

《9割》
消費電力をいつもの九割にしてみよう。特に夜間の照明を消して「夜である事」を楽しもう。

《10回》
ここまで済んだら深呼吸をゆっくり十回しよう。月夜に充満している清い「気」を吸い込むと、全てが落ち着き何もかもうまくいく。

 いかがだっただろうか。以上が満月の日にすると良いとされる十の事柄である。次の満月からぜひ、と締めくくると思ったあなたは自分に甘い。甘すぎる。これらは満月とはまっっったく関係ない。判断する力? 好奇心? 清い「気」? 繰り返すが全く関係ない。モーント(イタリア語で月)・ルゥ(フランス語で狼)なんて学者もいない。一綴りの怪しい啓発っぽい文章を鵜呑みにせず、全て今日から始めるべきである。

 それではよい一日を!

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