第二百九十二夜 『筋欲のカノジョ』
ここのところ、10km走ることに対して、辛さと精神的なハードルがなくなってきた。
1時間程度空いていれば、10kmは走れるかと走り始める。
フルマラソンの日程は会社の大きな会議とかぶっていたため先延ばしになってしまったものの、その間に3km走ることすらしていなかった私にとって、10kmが習慣化された。
何事も同じであるが、習慣化されると人は辛いだとか面倒だとかそういった考えを持たなくなるものである。
10km走っている間は、私は完全に仕事のスイッチをオフにする。
私にランニング、もといフルマラソンを勧めてくれた彼は、走りながら仕事の考えやその日のポエムを考えているようであるが、私はどちらかというとただただ走りながら、積み重なる数字を眺めたり、お気に入りの音楽を聴いたり、小説を聴いていたりとどちらかというとインプットの時間となっている。
さて、ランニングマシンでのランニングに慣れてきた私は、そろそろ外で走ろうと画策しているところである。
都内だと有名なのは皇居ランだろう。
しかし、私の住む地域にはおあつらえ向きにランニングコースのあるようなエリアやトラックが数多くある。
せっかくなら生まれ育った街並みを眺めながらランニングを行うのも良いだろう。
フルマラソンの日程は未定であるが、走る距離を伸ばしておくことは準備の一環であろう。
先月まで、3km程度しか走ったことのなかった私が、今や20kmほどは走れているのである。
10kmが習慣化された今なら、20kmはもう少し強度を上げられるのではないだろうか。
おおよそ、10kmほど走った後の仕事は、頭が冴え非常に集中できるので、良いのであるが、20km走った後は仕事よりも身体の回復に傾いてしまうのはまだ身体ができていないのであろう。
ただ「10km走って仕事をする。」これは週2-3回ほど利用しているが非常にいい状態である。
仕事中に眠気に誘われることが圧倒的に少なくなる上、集中の質も上がる。
大事なのは習慣化である。
たまにしかやらないと疲れが先行するのである。
それを考えると、彼は毎日ジムで筋トレかランニング、スイムを行っている。
日々、考えが冴えている秘訣はそこにあるのかもしれない。
物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。