第百十五夜 『岸辺露伴は動かない』
インプットとアウトプットの切り替えは往々にして難しい。
というよりも年々、目的のないインプットが難しくなっていくのである。
自身の中に蓄積したものが増えれば増えるほど、その中でさまざまなことを解決、独創しようとしてしまうのである。
彼は毎日ポエムを書く。
カフェインポエムと題して、今現在過去のことを語る。
千夜一夜物語を執筆している私も彼もアウトプットというのは意外とストレスがなく続けられるものである。
彼のカフェインポエムでは最近、昨年の今頃のものとは打って変わって幸せそうであるが、その話はまた別の機会に書こう。
しかし、インプットはなかなか難しい。
たまたま暇になったから本屋で小説を買ってカフェで珈琲でも読もうというような、いきなり新たな物語に手を出そうという行為に一定の体力を奪われるのである。
学生時代はレンタルDVDを10本借りて、昼間から深夜まで見れる限り流し続けては酒を飲んでいたものだが、今同じ時間を与えられても果たしてできるだろうか。
一つづきのストーリーならまだしも、別々の映画を8本もみることは今は無理なのではないだろうか。
さて、千夜一夜物語を執筆していく上で、書く行為よりもインプットに対する腰が重くなっている私の打開策を発表しよう。
観ようと思ってマイリストに登録した作品。読もうと思って買っておいた小説。それらをスケジュールに組み込むことである。
何かを創作する上で必要なことはインプットとアウトプットの繰り返しであり、これは資格試験の勉強や仕事にも通ずるものがある。
勉強はインプットによりがちの人が多く、仕事はアウトプットによりがちの人が多い。
しかし、きちんとした結果を出すためには自身の中でインプットとアウトプットを定量化する必要がある。
奇しくも最近の株式会社アメリで行われている定量化という言葉が使われる。
良い傾向であろう。
物語の続きはまた次の夜に… 良い夢を。